第36話 DAY29②
※この内容は未成年の飲酒を推奨しているものではありません
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「えへへぇ、さくらひゃん、いいにほーい!」
「やめて、きい、アハハハハハ!」
「ちょっとー、あたしだけのけものにするなぁ!」
止めればよかった。私がこの3人を止めれば良かった。
〇〇〇〇〇
1時間前のこと。
「みんなぁ、ウイスキーボンボンと日本酒ボンボンあったよ!」
きいがキッチンから箱を2つ持ってくる。ウイスキーボンボンは少し高級そうな箱に入っていて、日本酒ボンボンは、和歌山のお土産だろうか。机の上にバンと置いて、2つとも開けた。
「みんなの親はお酒強いの?」
一応訊いてみよう。遺伝的なこともあるしね。
「ママは酔ってるのか酔ってないのか分からないけど、パパは強いよ。」
そう答えたのはきい。少しでも父親の血が入ってるのが望みかな?
「私の家は2人とも強いよ!」
楓の家は2人とも強いのか。なるほどこれはいけそうだ。
「私の家は2人ともあんまりかな?まぁ、沖縄旅行でオトーリして最初に潰れたとか言ってただけだけど。」
桜、それ弱くないよ。オトーリに参加してるだけで勇者レベルだよ。
「じゃあ食べよー!」
『いただきまーす!』
〇〇〇〇〇
そして、現在に至る。
はっきり言って地獄絵図だ。きいは桜に抱きついてるし、桜は笑い転げている。それを見て、楓は除け者にされたと思ったのか、泣きながら2人を押し倒している。私だけがシラフだから、どうにかしないと。
「3人とも、恋バナとかしない?」
『恋バナぁ?』
なんか睨まれている。私のお泊まり会のイメージだったんだけど…
「私はぁ、ずっと久志と一緒に住んでるやん。」
そう話を始めたのは桜。
「久志はぁ、私がぁどれだけ甘えてもぉ、全然顔真っ赤にするとか無いんだけどぉ。なんでぇ!」
「あれ、そういう目的でやってたの?」
「そういうんじゃなくて、からかいたいだけ!」
あー、次のとき、『好きぃー!』とか言っちゃうパターンだ。それで顔真っ赤にして、爆発しちゃうやつ。
「じゃあ、楓はどうなの?」
「私はぁ、あれ?なんにもないや。」
「奏っちとかおるやん、どうなのよ?」
「奏はぁ、仲良くやってるけどぉ。たまにご飯一緒に食べたり、遊んだり、看病して貰ったり。」
付き合っちゃえよ、もう。
「私はぁ、そういうのは無いかなぁ、ひい君ともただの幼馴染ってだけだし。」
このパターンも次のとき、『好きぃー!』だな。次は戦争が怒らないことを祈ろう。
「音羽ちゃんはぁ?」
「そうよ!私たちばっかり話させて、ズルいわ!」
確かにそうだね、私はといえば…
「カレンかぁ、夏休み中一緒だったけど、そういう気持ちにはならなかったかな?」
「なんか面白くなーい!」
「ごめんね、面白くなくて。」
日本酒ボンボンを1個つまむ。私的にはこっちの方が美味しいから好きだ。気づけば、3人とも夢と現実を行き来している。
「3人とも、もう寝ちゃって明日早起きしよ!」
『ん〜。はぁーい。』
3人とも目を擦りながら洗面所に降りていく。こりゃあ、寝転んだらすぐに寝そうだな。
お風呂には恋バナの前に入ってるから、布団を敷いて寝るだけ。布団を敷いたら、倒れ込むようにして4人で並んで寝た。
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