第7話 思いやりの余裕は、まるで、勝たん。っつか、生きん。倍速で結果を求める文化を、若い世代いじめの材料にしないでね。

 倍速視聴についての、言い争い。

 「倍速で見て、情報としては消化できるんだろうけれど、映像は、味わえない」

 「話の流れとか、細かいことはどうでも良いと感じる人ばかりに、なりそう」

 「はじめを見て、終わりを知る。中身のない人に、なちゃうんじゃないの?」

 「違う、違う!」

 「だから、コスパもタイパも、悪いんだってば!登場人物とかの心の背景を、じっくりと読んでいくのって、効率悪いから!」

 「ふうん。マニュアル以外の考え方ができない生き方に、なっちゃうんじゃないか?」

 「失敗、怖い」

 「怒られたくないし」

 「無駄はいやだって言いながら、買物のとき、包装のしすぎとかには、何も、反対しないわけ?それって、おかしい」

 …あなたは、どう思いますか?

 日本は、本当に、余裕がなくなっちゃったんだよ。こういう日本にした人たちが、倍速で結果を求める文化を、若い世代いじめの材料にしているんじゃないかとさえ、思えてくる。

 思いやりの余裕は、まるで、生きん。

 コスパやタイパ重視のいきすぎで、こんな感覚も、出てきた。

 「俺たち基準で、見たいものだけ見れば、良い」

 「誰かが傷付くシーンは、見たくない」

 「ネットでなら、誰かに死ねって言える」

 「あの人を殺そうよって、いうことも」

 「でも、この目で、怖い物は見たくない」

 「だから、怖いシーンは、飛ばす」

 「サクッと、気持ち良くなりたい」

 そんな気持ちが、倍速視聴の考え方につながるとしたら、悲しい。

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