【短い話】ドレミのかいだん①~学校にいけなくい思いをかかえた子、泣かないで~
第3話 あのキーホルダー、ゲットしたかったのになあ。こうなったら、ソノミちゃんという友達とおしゃべりをして、気分を晴らそうじゃないか!
第3話 あのキーホルダー、ゲットしたかったのになあ。こうなったら、ソノミちゃんという友達とおしゃべりをして、気分を晴らそうじゃないか!
大人は、子どもの気持ちを、わかっちゃくれない。
「プシュー…」
店の入り口の自動ドアが、横に広がり…。
「面白いものが、買えた」
同じ、小学生かな?どこかの男子が、母親と思われる女性と並んで、店外に、出てきた。
「ちょっ…。あれって、もしかして!」
その男子の手には、輝かしいキーホルダーが、握られていた。
「ラス1は、思わず、買っちゃうよな!」
「ほら、ほら。その、角煮のキーホルダー…。落とさないように、気を付けなさい」
「お母さん、ありがと。気晴らし、ゲットだぜ!」
…なんですと!
彼女には、我慢、ならなかった。
「ちょ…。きばらしな、レベル?」
悪いことは、続いた。
それから、数週間がたっても、その肉屋には、豚の角煮のキーホルダーが、入荷されなかったのだ。
「…それなら、豚の角煮のキーホルダーを入荷してくださいって、店の人に頼めば、良いじゃないか」
大人は、言うだろう。
わかっていないよ。彼女は、言えなかったんだ。
肉屋の大人な店員に、笑われそうだし。
大人は、何も、わかってくれない。
モヤモヤとした気分を、晴らしたかった。友達、ソノミちゃんのことを、考えていた。
彼女とソノミちゃんは、気が合った。
保育園の年少のときから、ずっと、親友だった。
「きのうも、たのしかったなあ」
追いかけっこが終わると、小学校の校庭の芝生に座り込んで、おしゃべり。
ちな…。
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