第2話 小学生女子が、「かくにがほしい」って言うと、変な顔をされます。大人は、わかってくれない。豚の角煮のキーホルダーが買えなくて、ガーン!

 「わたし、かくにが、ほしい」

 それは、生きづらさのメッセージかもしれないのに!

大人には、変な顔をされて。

 大人は、わかってくれない。

 「かくにが、すき」

 正直に言うと、大人は、どうして、困ってしまうんだろう?

 父親にも、言われたもんだ。

 「何だ、何だ?ドレミは、小学生女子らしくないことを、言うんだなあ。かくにって、あの、豚の角煮とかのことなのか?」

 「…うん」

 それが、なにか?

大人のことが、ちょっぴりときらいになった彼女だった。

 とりま、そこは、良いか。

 問題は、肉屋に、入れなかったことだ。

 「わたし、こんなんじゃあ、らいねん、2ねんせいになれないかも…」

 店の入り口で、アルコールを、シュッシュと手に振りかけても、熱を測る機械が、許してくれない。

 すぐに、母親が、店の入り口にまで戻ってきた。

 「…ドレミ、お肉、買ってきたよ?」

 「うん」

 「待たせちゃったね?」

 「ううん、まってないよ?」

 「ごめんね、ドレミ?お母さんだけが、良い思いをしちゃったかな?」

 「え、なにそれ?」

 彼女の好きそうなアレが、売っていたんだそうな。

 「実は、ね。ドレミ?」

 「なあに?」

 「豚の角煮のキーホルダーが、売ってた」

 「…え?マジ?」

 なんて、うらやましいアイテムなんだ。

 「買えれば、良かったのにね」

 「え、どういうこと?」

 「残っていたラスト1つが、売り切れちゃったのよ」

 …がーん!







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