第5話
「ご馳走様です!美味しかったですー!」
店員さんに頭を下げてキャッシャーに向かった。
「ではお会計ですね。お二人合わせて3150円です。」
尋葉がお金を出してくれた。アタシは指輪が見たくて上の空だった。尋葉が選んでくれたものだもん、アタシの趣味を理解してくれている。
今日来ているギンガムチェックのスカートも尋葉が贈ってくれた最高に可愛いスカート。
早くみたい。
「また来まーす!!」
アタシは半地下から地上に出た。
「マスターさん。僕にはちょっとほろ苦く甘く感じたんですけど。」
「それならば、そういう事です。またお待ちしております。」
「...ありがとう。」
そして僕たちは指輪をとりに横浜へ向かった。
百合は良く話す。僕は元々色々人間関係が下手だが精一杯色々彼女に好かれるためにあれやこれや勉強もした。どうしても身だしなみが苦手ではあるが、彼女の彼氏だと意識することによって沢山のものを得た。
ただ彼女は両親を早くに亡くしているせいで、色々愛情に不安定さがある。
そこを今後僕が埋めてあげることになるが、出来るだろうか?
彼女の愛の分だけ愛情たっぷり注いであげることができるだろうか。
不安が多かった。
ただ、なぜかあのワッフルを食べて僕はそうじゃないと思った。彼女のこと可哀想だからと愛情を注いでいたが、彼女自身への愛情を注いでいなかった。それに気付き、一歩踏み出せた気がした。
紆余曲折あるだろう。人生なのだから。喧嘩もするし、泣くし、笑うだろう。
それを彼女の天真爛漫のその顔と性格とに励まし励まされたい。
一緒に居よう。
『売上金額:3150円
二人の相性:男性側がおれる傾向だが問題なし
花:ヒロハノレンリソウ
ワッフル:ラズベリー・ニンニク
二人の将来に幸あれ』
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