クラスでも人気の超清楚系の美少女が、俺と同棲をする事になり超有名配信者だということに気付いた話
@kanae_kaki
第1話
「疲れた~!」
格安ゲーミングチェア特有のギシギシ音が部屋に響き渡る。
こんなことなら、最初からちゃんとした椅子買うべきだったな…。
「晩飯、晩飯」
今の時刻は深夜の1時過ぎ。到底子供が起きていていい時間帯ではない。
だが、俺には周りと違う点が一つだけある。
――1人暮らしだということ
高校に特待生として入学した俺は、少しお金に余裕が出来たので、親にも相談して1人暮らしを始めた。
今まで、母親に任せていた、洗濯、飯などを自分で済ませるのはかなりキツイが、それ以上の利点が『1人暮らし』には存在した。
そう、友達を家に入れることが出来る様になった。
て、言っても勉強ばかりしてきた俺には、当然友達も出来ず、毎日のように深夜のネットを徘徊するようになった。
「げ、飯ないじゃん……買いに行くしか…ないのか……」
パーカーを着て、フードをかぶる。
まだ、高校生だということもあり、警察に補導される可能性が高い。
「よし、行くか」
今は10月だということもあり、少し外は肌寒い。というか、寒い。
パーカー一枚で外に出たのは間違いだった。
コンビニまでの距離は徒歩5分圏内だから、結構近い。
夜のお供、エナジードリンクを買いに行くときなんかも利用しているコンビニ。
「いらっしゃいま……て、雪くんか。こんばんは~」
「宮本さん、こんばんは~」
最近では、バイトの[宮元 成行]さんと仲良くなった。
「エナジー買いに来たの?」
「いえ、普通に弁当買いに来ただけです」
そういうと、宮本さんは裏に行きしばらくすると出てきた。
「ここに廃棄する予定の弁当があるから、好きなだけ持っていきな。裏で店長寝てるから、気付かれないうちに…!ほら…!」
山のように積み重ねられている弁当は、どれもまだ食べれそうなものばかりだった。
まだ食べれるのに…。
最近のコンビニは食べれるものまで捨てるのか……。
父は『昔はよく、廃棄弁当を持って帰らせてもらってたな~』と言っていた気がする。
昔と今では変わったんだな~。
俺は少し、時の流れを感じた。
「あ、そういえば、最近ここらで家出女子高生が出歩いてるから気をつけてね~」
「どう、気をつけろと」
ただの女子高生だろ?そこまで害はないんじゃないかな。
逆に女子高生に捕まえられたら、ラッキーな方なんじゃないかな。
頭の中で色々な問題が飛び交う。
「ありがとうございました~~!」
宮本さんは、手を振ってくれた。なんか、ちょっと嬉しい。
そこから歩いて自宅へと戻った。
「は?」
帰宅したら、リビングのソファーでスナック菓子をボリボリと食べている人がいた。
髪はサラサラで体にはくびれが出来ており、顔が小さく、体も小さい、そしてその体に反しているほど大きい胸。
クラスでも成績は毎回トップ、1000年に一度の美女だと噂されている女子高生【夏宮 奈菜】。
え?俺入れた?家に?
「お帰り~!おじゃましてま~す!」
「え?なんでここに?今何時か知ってる?深夜の2時だよ?学生が出歩いていい時間ではないよ?しかも、どうやって家に入った?マジで教えてくれ。どうやって入った?ねぇ」
「はいはい、一回落ち着く。て、言うか、今さっきまで外に出歩いていた人がよく言うねぇ。」
俺の脳内では、今の状況を必死に理解させようと頑張っている。
不法侵入?いや、優等生がそんな犯罪に手を染めるわけがない。じゃあ、俺が家に入れたってことだよな……?
「ごめん。俺、家に入れた?」
「いや、2階の窓から入った!」
「不法侵入かよ!」
『不法侵入』というワードを聞いた瞬間にすかさずツッコミを入れた。
二階の窓からって……結構な高さあるぞ?どう入るっていうんだ?梯子?梯子か?
「どうやって家に入ったんだ?」
「私の家、隣なんだよねっ!だから、私の家の窓から、雪くんの家の窓まで飛び移った!凄くない?私の運動神経?この運動神経を活かせば、世界狙える。オリンピックいけるべ」
夏宮さんってこんなしゃべり方だっけ?いつもは大人しい人なのに…。
深夜テンションか?と一瞬疑ったが、そんな感じでもなかった。
「私、家追い出されちゃったんだよね。だから、少しの間ここに居させてください!」
「いや、また窓から飛べよ!」
「それはいやです」
そして、俺と夏宮さんの同居生活が始まった。
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