第4話 母の傷み苦しみ絶望
「予感も何もやっぱり霊の仕業でしょ?」
「うむ…」
斑は少し気難しい顔をしながら小さく頷くしか無かった。
それに理由はハッキリ言って分からないが妊婦だけを狙うのは普通に考えたら女の霊だと俺の経験上はそう言える。
女と言うのは不思議なもので成長する毎にその年齢に見合った魅力があるものだ。
少女という無邪気な天使、女の子と言う明るさのある情熱、女性と言う色気と可憐さ、母と言う愛情と言うの女神、老婆と言う優しさと気品。
その年齢に合わせた女という魅力こそが男を惹き付け惑わせ時に毒となる。
まぁ女と男の違いと言うのは正に考え方そのもの。女心というもあるくらいに考え方や思っている事も男が理解するには難しい。
この俺みたいな心霊関係での仕事をしていると大概は女の心霊が圧倒的に多い。大人の霊だとな。男の霊も目のあたりにする事があるが…
相当な恨みがないとそうそうない。男の霊はたいがいは少年や青年と言った感受性の強い年代ばかりだ。
何故に女の霊が多いって言うとだ。女と言うのはたいがいが感情で動くからだ。霊が成仏出来ないのは何かしらの想いと言った感情が強いからだ。
感情で動く女が多いのはその理由さ…少し脱線したな。
「斑。何か霊の関知はあるか?」
「ん~…今は何もないのぉ…」
「そうか…」
俺の霊感が関知しないから斑に聞いてみたが、どうやら今回の霊はソコソコ頭が良いらしいな。
「気配そのものを隠してるなこりゃ…」
「うむ…霊感さえ関知出来ればのぉ…」
今は手掛かりが無いから動こうにも動けない…一旦家に帰ってから出直すしかないか…
「「?!」」
諦めようとした時に俺の霊感が異常な位に感じた。背中がゾォっとする感覚…きっと斑も同じように感じてるはずだ。
「悠希!近いぞっ!」
「分かってる!場所は分かるか?!」
烏間悠希の心霊探偵事務所ですけど? 藤田吾郎 @jokre
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