第4話 母の傷み苦しみ絶望
みんなはこの歌を知っているだろうか?いや知らない方が珍しい。それは子供の頃に聞いた事のある歌。
かごめ かごめ 籠の中の鳥は
いつ いつ 出会う 夜明けの晩に
鶴と亀が 滑った 後ろの正面 だれ?
この歌はよく子供の頃に聴きそして友達と一緒に遊んだ事は誰でもあるのでは無いかと俺は思う。
1人は真ん中にしゃがみながら手で目を隠し、真ん中を取り囲む様にその歌を歌いながらグルグルと回り、歌い終わった時に真ん中の人は自分の後ろに居る人を当てる遊び。
だが俺、烏間悠希はこの歌の本当の意味を知らなかった。そして、この歌が如何に残酷で悲しい歌であるかを知る事になる。
そう…それはコレから起こる除霊師としての仕事と同時に幸せを築こうとしてる家族をメチャクチャにする霊の事件が…
「これが悠希が小さい頃の写真よ~」
「ほぉ~…悠希も悠希でこんな可愛らしい時期があったとはのぉ…」
「これが小学校の入学式で…」
「ふむふむ子供らしいニコニコと笑っておるのぉ~」
「コレは確か……」
「おい。母さん。」
「なによ?」
何故だか知らないが連絡の一切なしで突如として俺の事務所兼マイホームに来た母さん。何事かと思いきや急に俺ん家に上がってはアルバムの写真を斑と一緒に広げる。
「だいたい何しに来たんだよ?」
「何って?そりゃあ…アンタが女の子を家に連れて込んでるかどうか調べる為よ?」
「母さん。安心しろ息子は彼女も居なければ女友達も居ない。息子は至って道徳精神は守られてる。」
「…………」
「なんだよ?」
「いい加減はよ嫁を連れてこいや!!」
「痛ッ!!何すんだよ?!おい!!」
母さんは俺にノーモションで強烈なクロスチョップを俺の喉仏に喰らわす。あ~…超痛いわ。
「全く!幾つになれば私に孫の顔を見せてくれるのだか?!」
「何なんだよ?!いきなり?!」
「全く!お隣さん家や向かい側の家は息子や娘達はとっくに結婚して更には孫もいるだぞ?!」
「だから何なんだよ?!」
「その際だから適当に若い女の子でも連れてきて出来ちゃった婚に持っていけ!私が許す!!」
「あのな…ドヤ顔でグーサイン決められてもだな。」
「あぁ~…私も早くアンタには結婚して貰って奥さん子供を産んで貰って孫と遊んだり買い物に行ったりしたいわ。」
「だからと言ってなぁ~…俺ってモテないし仕事仲間以外に女のアドレス知らないしよ…」
もう毎回こうなんだよね。俺と母さんが顔を合わせる度にやれ結婚しろだとか、孫を見せろだとか。そんな簡単に出来るわけがないだろうが…
「おい、悠希。」
「なんだよ?斑。」
「オナゴなら居るであろう?」
「あぁ?誰だよ。」
いやいやいや。さっきも言った通りだけどさ。俺には仕事仲間以外の女の子の連絡先なんて知らないし。
「弥生じゃ。」
「おい。なんで弥生をチョイスした?」
「お主もヤレヤレな性格じゃのぉ。」
「いやだから何でだよ?何処をどうすれば弥生が出てくるんだよ?」
「弥生はお主にホの字じゃよ。惚れとるぞ。」
「おいおい年寄りの冗談ってなんでこうもタチが悪いのかね?」
すると、ややこしくしようとするのが約1名。
「弥生ちゃん?!是非とも悠希のお嫁さんにして貰わないと!!」
「おい!ちょっと待てよ?!母さん!服を引っ張るな!」
「だって。弥生ちゃんが悠希の事が好きなんでしょ?良いじゃないそれで。」
「おい。ちょっと待て。俺の気持ちはどうなる?俺にも選ぶ権利があるだろ?」
「何よ、アンタは?弥生ちゃんの事はコレっぽっちも好きじゃないの?」
「好きとか嫌いとかの恋愛対象じゃないんだよ。アイツはただの仕事……」
俺は途中で言うのを止めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます