第3話 幽霊船
「羊(ブラック・メリー)を数えた(使った)事によって眠り(薬の快楽)に落ちて夢(幻覚)を見る。夢(幻覚)に囚われて自らを身を滅ぼす…」
「まぁ…そんな所だね。それにしても金品だったら換金して金になったのになぁ~…薬じゃあ捕まっちゃうからダメかぁ~…」
「まっ…今回の宝は諦めるんだな。用は済んだしさっさと引き上げて協会に報告しないとだな。」
「ちぇ~…」
刹那は小さな子供の様に拗ねた顔をしながら俺達と共にこの場を立ち去る事にしたが…
なんでだ?何だか急に幽霊の気配がイッキに強くなりやがった…
「刹那!斑!」
「嘘でしょ?もう1人いたの?」
「うむ…悪霊じゃな。」
俺は霊清銃を構えて刹那はナイフを構えて斑は何かの格闘術みたいな構えを取り3人で自分達の背中を守る様に円陣を組む。
何処だ?何処に居やがる?気配はハッキリと殺意と一緒にビリビリと伝わる。あとは幽霊が何処から現れるかだ…
俺達は終始無言のまま構えを解かず更に全ての五感と第六感を神経を研ぎ澄ます様に張り巡らせる。
『オレハ…ココダ…』
「上かッ!!」
俺達の頭上から悪霊がニタニタと笑いながら天井をゴキブリの様に素早く這いずり回る俺は構わず霊清銃をブチ込むが弾丸は天井に打ち込まれた。
『ミタナ…オマエラ…タカラヲ…』
「へぇ~…死んでもなお宝を見たものを抹殺するなんて物凄い執着心でいて醜くも薄汚いね。」
『オマエラモ…アノガキノヨウニ…コロシテヤル…』
その言葉を聴いた瞬間に刹那が下を俯いたまんまピクリとも動かなくなった。
『アノガキ…゙パパ゙゙ママ゙ッテ、ウルサイ……』
その瞬間に刹那は目にも止まらないナイフ捌きで悪霊に切り刻んでは切り裂いた。
『グギャアアアアアアッ!!!』
「どうだい…痛いかい?」
刹那はニッコリと笑いながら悪霊に近付きながら微笑む。いつもと違う笑いでな。
「でもね。お前の言ゔあのガギはもっと痛かったんだよ?分かる?」
『ギャァァアアッ!イタイ!イタイ!』
「そう…君は痛いかい?なら地獄でもっと痛め付けてもらえゲスが…」
刹那はにこやかな表情からイッペンして冷たい眼差しにドスの効いた声で聖書を開き始める。
「我、命じる。主の名の元にその穢れ、さまよう魂達よ。主の元に帰られよ。ホーリー・ジャッジメント…さぁ僕からの地獄の片道切符を君にプレゼントするよ。」
すると聖書から聖なる輝きを放ちながら無数の矢となり、その矢は悪霊に針ネズミの様に突き刺さり悪霊は消えていく。
「コレであの娘も安らいでくれるね。」
「かもな。帰るか。」
本当に用が済んだから帰ろうと俺が歩き始めた瞬間に何がゴゴゴゴ゙って地響きってか船の上なんだから地響きなんて有り得ないし…
「僕さ。今、物凄く嫌な予感がするんだよね。」
「へぇ~…奇遇だな刹那。実は俺もなんだよ。」
「おぉ~…実はアタイもじゃよ。奇遇にして偶然にも3人共やっぱり嫌な予感が……」
斑が喋った次の瞬間。船は崩れ始める。
「走るぞ!」
「僕の一張羅が海水に濡れなきゃ良いけどな…」
「取り敢えず変化ッ!乗るんじゃ2人共ッ!!」
すると斑が大きな化け猫に変身し俺と刹那を背中に乗せて走り出す。
斑のお陰で何とか船が潰れて沈没する前に外に出られたがそういやここ…海のど真中じゃん…船が潰れたら…って!!
斑が海へダイブした…俺、中学生以来、水泳してないのに…
「みんな!無事か?!」
「何とかな…」
「あぁ~あ折角の僕の一張羅が…」
そして船は粉々に崩れ去り夢を見れる宝と共にその幽霊船は海の藻屑となり消え去った。
俺達はと言うと運良く漁船の人達に拾われて無事に協会に報告する事が出来た…
ヘックシ……
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