第3話 幽霊船

「ん~…とてもじゃないけど材質しろ彫刻のデザインにしろ普通のオブジェだね。」


刹那は無数にあるオブジェが飾られている棚から、その内の1つを手に取って調べてみるが刹那が言うには至って普通のオブジェ。


俺はとんだ茶番に付き合わされた上に宝なんて物が無いと分かり呆れながら霊清銃の弾丸を装填していると何かが気になり始める。


「黒い…粉…?」


何故だか、この部屋だけに何だか黒い粉末の粉が落ちているのだ。俺が今まで気が付かなかったのかもしれないが何故この部屋だけに?


俺は人差し指で床を擦り黒い粉を手に取って軽く匂いを嗅ぐ。すると急に頭がクラクラと身体が浮いた様にフラフラする…


「ゆ、悠希!どうしたのじゃ?!」


「なるほどな…」


「な、何がじゃ?!」


俺は少し片膝を着いた様にしゃがむと斑が俺を支える様に立ち上がらせる。そして俺は確信した。このオブジェは確かに夢を見れる宝であり数億単位はクダラナイ価値のある物。


俺は、だいぶマシになったが少し足をふらつかせながらオブジェに近付く。


「刹那。お前のお目当ての宝の招待が分かったぞ。」


「え?それはただのオブジェ…」


「まぁ、見てろよ。」


俺は無数のオブジェの内の1つを手に取って…床に叩き付ける様に落とす。そしてオブジェは見事に粉々に割れる。


「「ッ?!」」


「コレが夢を見れる宝であり、数億単位はクダラナイ値打ちのする宝の招待だ。」


「まさか…コレが夢を見れる宝…」


「うむ。コレなら数億単位の値打ちはクダラナイな。この量なら…」


そう。俺は確かに至って普通の材質に至って普通のデザインのオブジェを床に叩き付ける様に落とした。


そしてコレはあくまでもカモフラージュ。本体はオブジェの中に隠されていたのが宝なんだよ。透明のビニール袋に包まれた

黒い粉。


そして軽く嗅いで確信したよ。コイツの正体は麻薬だ。


だけど気になるのが1つだけある。それはだ。俺のイメージして考えてる普通の麻薬とは違うんだ。


「何で粉自体の色が真っ黒なんだ?」


「コレはね烏間君。このリストを見れば分かるよ。」


「リスト……はッ!モルヒィネファミリーか…」


「そう。この麻薬はモルヒィネファミリーが新しいファーザーの就任って言う表向きに麻薬を密輸してたんだよ。」


「なるほどな。新しいファーザーの就任祝いの豪華客船での海外旅行。恐らくは豪華客船の業者まで買収して密輸。そして燃料を入れる度に港に停泊して薬の売人に麻薬を売り捌いてたって訳か……」


「それもあるけどね。この麻薬の特徴が色が黒いでしょ?」


「そうだな。実は俺も気になってたんだよ。」


「この麻薬はモルヒィネファミリーのファーザーと数人の部下が普通って言うのも変だけど、普通の一般的な麻薬から゙ある製法゙って言うより僕の理論からは独自の発酵によって普通の麻薬の少ない量で効き目が倍の麻薬が出来たのさ。」


「つまり、少ない量で効き目は倍でその分、値段も倍近くか…」


「ピンポーン。僕もその発酵の仕方は分からないけど簡単に言えば煙草を発酵させる事によって独特の匂いを放ちながらクセのある旨味のある煙草が出来上がる感じかな?」


「なるほどな……」


「確かに、コレなら数億単位の値打ちはクダラナイな。今のレートでこの量なら下手すれば、桁が2つか3つはハネ上がるよ。」


「夢を見れる宝…確かに希望やロマンが詰まった言い回しだが現実は中々のクソッタレな宝だな。」


「確かに選ばれた人にしか見られない宝。つまり薬中毒者にしか見れない夢。ブラック・メリー。」


「ブラック・メリー?」


「この麻薬の名前さ。ブラックはそのまんま黒い粉。メリーはよく寝るときって羊を数えるだろ?そして眠りに落ちて夢を見る。その根源は夢を見れるのは皮肉にも羊って事さ。」



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