第3話 幽霊船
『ネェ…ナンデ…ワタシニ……テッポウ、ムケルノ?ネェ…ナンデ…?』
俺は何を言っているのかさっぱり分からなかった。きっと、この娘が死ぬ前に何かしらをされた。それは分かる。鉄砲…?
ッ?!ま、まさか?!
「悠希!霊清銃を幼女に向けるな!!」
『ナンデ…ワタシ…イタカッタンダヨ…?スゴク、スゴーク…テッポウ、イタカッタ…イタカッタ…イタカッタ、イタカッタ、イタカッタイタカッタイタカッタイタカッタイタカッタイタカッタイタカッタ』
すると幼い女の子は狂った様に徐々に声を大きくかつ荒い口調で発狂し始める。マズイな…こりゃ…うん。
「どうやら、ちょっと遅かったみたいだね。」
『イタカッタンダヨ…ミンナ……シンジャエ…エヘヘ』
「マズイぞッ!避けるんじゃッ!!」
すると幼い女の子から何か力が沸き出る様にまさに殺意が俺達に敵意として現れている。そして俺達は散々になり幼い女の子から距離を置く。
あの無邪気な笑いが今じゃ恐ろしくて仕方がない。なのに幼い女の子は俺達の気持ちなんか全く気にしないと言わんばかりに口から血を噴き出しながらニヤニヤと近付く。
『エヘ…』
そう首を傾げながら笑った瞬間にテーブルから椅子にナイフにフォーク、バイオリン、マイク、そしてピアノが女の子の周りをグルグルと宙に浮かせながら俺達に近付く。
『シネ…』
「危ねッ!!」
最初は俺に向かって椅子をダーツの様に真っ直ぐ飛ばすが俺はギリギリかわして霊清銃を構えたまんま走り抜ける。
『アハハ…』
「刹那!」
幼い女の子は刹那に焦点を向けてナイフを刹那に飛ばそうとするが刹那はナイフを構えながら唱え始める。
「我、命じる。主の名の元に我を護り通せ!ホーリー・バリアッ!!」
すると刹那が唱えた瞬間に刹那の周りに半透明の白く輝くバリアが覆われ幼い女の子に投げられたナイフは弾き返される。
「喰らいなッ!」
『イタイ…イタイヨ…ナンデ…ナンデ……シンジャェ…』
俺は幼い女の子に純銀の弾丸を2発を撃ち込んだ。2発とも幼い女の子に撃ち込んだのに苦しまない。コイツ…どんだけ意思が強いんだ。
「悠希!変化ッ!!」
純銀の弾丸を撃ち込まれた事によって彼女をかえって怒りを煽り、彼女は机やら椅子を俺に向かって投げつける様に飛んでくる。
しかし斑は咄嗟に人間の姿の本来の姿である化け猫に変身し飛んでくる机と椅子を踏んづける様に防ぐ。
『ウウウウ…ウワァァァアアアア!!!』
「こんな時にかよ…」
「死体を操ってたのは奴か…」
「死体は僕が止めるから烏間君と斑ちゃんで彼女を!!」
「分かった!」
「うむ!」
刹那は白骨化した死体を成仏させるために聖書を開き唱え始める。
「我、命じる。主の名の元にその穢れ、さまよう魂達よ。主の元に帰られよ。ホーリー・ジャッジメント!!」
すると聖書から聖なる輝きを放ちながら無数の矢となり、その矢は白骨化の死体の胸に突き刺さり、死体から魂が現れて魂は天に帰っていく様に上っていく。
一方、俺は純銀の弾丸を霊清銃に装填しながら走り抜けて狙いを定める。もし中途半端に撃ち込んでも弾の無駄遣いになる。
なんなら至近距離で急所に撃ち込むまでだ。俺は距離を縮めながら走り抜け、斑は幼い女の子と応戦。
「捕まえたぞ!」
「そのまま押さえ付けろ!」
俺は斑が押さえ付けている彼女の頭に至近距離かつゼロ距離で全弾5発を撃ち込む。
『イタイッ!イタイッ!イタイッ!』
彼女が悶え始め怯んだ隙に俺は霊縛の数珠を取り出して両手の手のひらを合わせて唱える。
「霊魔獣禁呪(れいまじゅうきんじゅ)…霊縛鎖(れいばくさ)ッ!」
そして唱えた瞬間に数珠の玉から幾つもの鎖を出して彼女を拘束して身動きを取れない様にする。
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