第3話 幽霊船
「リッチは裕福。ナイトは夜って事。つまり裕福な夜と名付けてリッチ・ナイト号さ。この船は元・貴族やセレブの金持ちの為の豪華客船だったのさ。そして不思議な事にリストの中にマフィアの幹部の名前まで。」
「マフィアの幹部がどうして?」
「確か1984年はモルヒィネファミリーの新しいファーザーの就任した年でね。その新しいファーザーの就任の祝い事としてリッチ・ナイト号の遊覧パーティーに載ったんじゃないかな?」
「なんかよく分からないな。それにその日記には何が書かれていたんだ?」
「まず日記を書いた人から説明すれば、この日記を書いた人はこの船の船長だね。」
「船長?」
「うん。どうやら世界を半周するのが目的みたいだね。」
「その経路は?」
「予定じゃあイギリスからアフリカ大陸に行って南極を渡って、南極からアフリカ大陸に行ってからのアジア。アジアの日本から北へ北極海を通ってイギリスに帰る予定らしいよ。」
「なるほどな。って事はアレか?日本で何かあったのか?」
「みたいだね。1984年6月24日。日本から出航した夜に突如として電波が途切れて船の舵は効かなくなり遭難って書いてある。」
「それからは?何か書いてあるか?」
「ん~…それが最後の日記なんだよね。」
「……折角手掛かりを掴んだのにな。」
「まぁ烏間君。謎解きは自分でやった方が面白いよ。最後まで答えの分かる謎解きなんて駄作だよ。」
「呑気なもんだなお前は。」
この船の名前がリッチ・ナイト号。それは金持ちによる金持ちの為の遊覧船。リストは元・貴族にセレブ。そして不思議な事にマフィアまで…
そしてリッチ・ナイト号の船長が書いた日記の内容。日本から出航した夜に突如として電波が途切れて船の舵は効かなくなり遭難だな。
多分いや確実と言って良いな。日本を出航した夜に悪霊に襲われたんだ。
俺達は無言のまま先を急ごうとした時に白骨化の亡骸がピクリと動いた様な気がした…
まぁ船が揺れているからそう思ったのかもしれないが次の瞬間に指先から手首、手首から肘、肘から肩へそして胴体が動き始める。
「「「っ?!」」」
すると白骨化の亡骸達は起き上がりカラカラと首を動かし俺達を嘲笑う様に動き始める。
「マズイ…アタイ達はどうやら歓迎されてないのぉ…」
「あぁ…だから調査隊の亡骸があったのはコイツらの仕業って訳ね納得。」
「そんな所で納得するんじゃねぇよ。」
まるで操縦室から俺達を出さないために行く手を阻む亡骸達。だけど俺達はこんな所でくたばる訳には行かない。だから!
「突っ切るぞッ!」
俺は霊清銃を取り出して白骨化の亡骸に向かって純銀の弾丸を撃ち込む。純銀の弾丸を効いているのか白骨化の亡骸は動きが止まる。
「あんまり肉体労働は性に合わないんだよね。まぁ良いか。」
刹那は首にぶら下げている十字架のネックレスを手に取り目を閉じる。
「我、命じる。主の名の元に本来のあるべき姿に戻れ!ホーリー・ダガー。」
するとネックレスの十字架は白く輝き始め十字架の形をしたジャックナイフに変わり刹那は右手で持つ。
「安らかに休みなさい。ゴースト…」
すると刹那は白骨化した亡骸達に軽くナイフを突き刺すと亡骸達は力なく倒れ込む。
「今の内に成仏させなよ烏間君。」
「んな事くらい分かってるよ。」
俺は天浄経文を床に広げ両方の手のひらを合わせて唱え始める。
「怨魔陰羅津廃厳…霊戒魔浄。」
すると経文から文字が浮かび上がり、白骨化した亡骸達に文字が取り付くと白骨化した亡骸達はバラバラと崩れ去った。
「取り敢えず成仏は完了だな。」
「相変わらず烏間君の経文は良いよね。幽霊に安らぎを与えるから。僕の゙聖書゙は悪霊や怨霊には苦痛の物だからさ。悶える姿を嫌と言うほど見るからさ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます