第3話 幽霊船
「ふ~ん。やっぱり幽霊が絡んでいた様だね。」
「アタイが思うには成仏出来ていない霊が沢山いるのぉ。」
「コレは思ってたより骨が折れそうな心霊の調査だな。」
俺達は階段を上りきり船に乗り込む事が出来た。だけど…
「おいおい。俺達を逃がさないって訳か?」
「それもそうだけど。動いていない?」
「さすが曰く付きの船だのぉ。」
俺達が船に乗り込んだと同時に階段は勢いよく仕舞われ船の蒸気が響き動き始めた。
「取り敢えずどうするかのぉ?この船は思ってる以上に広いぞ?」
「ん~…普通なら3人で分けて行動するのが妥当かつ無難なんだけどね。」
「どうやら電波の妨害があるみたいだから、いざって時に連絡は出来ない様だな。ここで3人に分けるのは俺は賢くはないと思うぜ?」
「そうだね。烏間君の意見に賛成だね。」
「アタイも悠希に賛成じゃ。」
3人で話し合った結果。電波が妨害されているのか連絡手段が無いため、3人で行動を一緒にする事に決まる。
「これから、どうするつもりなのじゃ?2人共。」
「僕は夢を見れる宝を見付けたいけど、この船の特定も依頼に入ってるからね。船の特定が良いかな。」
「俺はこの船にさまよう幽霊の全員の成仏だな。」
「ん~…じゃあ烏間君の言うこの船の幽霊の全員成仏と僕の本来の依頼のこの船の特定と夢を見れる宝ってのはどうかな?」
「まぁ、それで良い。」
「なら決まりだ。」
話が決まったから俺達は取り敢えず船の中へ足を運ぶ事にする。
「それにしても霧が晴れないな。どうなってやがる?」
「確かにそうだよね。まるで船の動く所に霧が着いてきているみたいだね。」
「恐らくじゃが。この霧は幽霊達が操っているみたいだのぉ。」
「斑どういう事だ?」
「うむ。幽霊と言うのは不思議な事に天候まで操れるのじゃよ。」
「確かに言われてみればそうだね。僕なんか依頼の場所って天気予報じゃ晴れなのに、その日に行くと豪雨とか嵐が多いんだよね。」
「それはお前の普段の行いの悪さだろ?」
「それは心外だな~」
「お前、自分の手を胸に当ててみろよ。」
「ん~……僕って聖人君子?」
「お前の聖は聖なる聖じゃない。性行為の性だろ?」
「酷いな~それでも僕はクリスチャンだよ?」
「ずいぶんと背徳精神のクリスチャンだな。性職者。」
「そんなんだから結婚出来ないんだよ悠…っておっと!!危ないじゃないか。銃弾なんて。」
「ちっ…外したか。」
こんなクダラナイ事を言ってるけど、いつもの事だ。コイツとはな。
船の出入り口に近付きドアノブを開ける。どうやら鍵は掛かっていないみたいだ。俺達は船の中に入ると血生臭いものが鼻を刺激する。
「なんだよ?この臭いは?」
「ん~…埃だけじゃないね。死臭かな?」
「鼻がもげそうじゃ。」
俺達はあんまり吸い込まない様に手で覆い隠す様に鼻と口を塞ぐ。特に斑は人より鼻が利くから俺達より鼻を刺激される。
「なんか薄暗いな。」
「どうやら明かりは……アレいきなり点いたね。」
薄暗いと思っていた船の中がチカチカと点滅しながら明かりが点き始めて視界が良くなったが…
「こりゃ明かりを点けない方が良かったな。」
「てか。コレってさ…」
「本物のしたいじゃの。入った瞬間の鼻がもげそうなのが分かったのぉ。」
そう明かりを点いた瞬間に目の前に白骨化した亡骸が捨てられた様に置かれていた。
「この服装って協会から調査隊を出した財団の人達じゃん。」
「なるほど。まさに幽霊船を乗り込んだ末路って訳か。」
「どうやら、悪霊に呪い殺されたようじゃな。若干だが呪った痕跡が感知出来る。」
斑は白骨化の亡骸を指先で触りながら冷や汗を見せながら言う。
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