第3話 幽霊船

「もはや滑稽を通り越して呆れるしかないのぉ…」


「それに情報収集とか言いながら女を口説いてんだよな。下ネタ紛いの口説きを……」


「取り敢えずじゃ。天城からの依頼は?」


「幽霊船を探れだとさ。」


「幽霊船なぁ…昔から船に曰く付きの話が少なくないのぉ。その幽霊船には莫大な財宝があると言われていての。昔から欲に目を眩ませて命を絶ったのも少なくない。」


「でも今回はアレだぜ?豪華客船とか言ってたぞ。」


「豪華客船。ふ~む詳しい事は?」


「部長が言うには調査隊を向かわせたが未だに戻らないとか。」


「ん~…船での曰く付きだと、ほとんどの確率で行方不明になって長い間さまよい続け乗っていた客達は生き絶え幽霊によって動かされてる通称ゴーストシップだ。」


「確かに部長が言うには夜に雨が降りそして翌朝に霧が出てきた時にその幽霊船が現れるって…」


「ほぉ。それは興味深いのぉ。」


「それに幽霊船に乗り込んだ奴ら何かに取り憑かれた様に、そして船に吸い寄せられる様に船に乗り込むらしい……」


「ふむふむ。恐らく豪華客船って言われてるほどなのだから沢山の人間が乗っていた分、死んだ人間も多いし、それなら幽霊の数は相当なもんじゃな。」


「ん?ファックスか…」


すると電話のファックスが鳴り俺は電話を操作するとファックスの内容がプリントされる。


天城部長からだ。どれどれ…


本文:場所を言うの忘れてた(笑)テヘ☆ペロ。


PS:場所は正午あたりにA県○○町。車で来ても大丈夫だ。


by渋いオジサマ天城部長より★(キラッ


俺は速攻かつ無言で破り捨てて灰皿にブチ込んでライターで火を着けた。なんか今日はイライラするな。


取り敢えず煙草を取り出し口にくわえて破り燃やした紙がある灰皿で火を着けて心を落ち着かせる。


「斑。取り敢えず。準備してから明日は早めに出るぞ。」


「お主も苦労が絶えないのぉ。」


翌日。俺と斑は車を6時間ほど走らせて天城部長が指定したA県○○町に着き適当に車を止めて同業者の刹那を探す事にする。


今回の依頼場所はどうやら漁業が盛んでまだ海開きを迎えていないから人は居ないがビーチもある。


それに海岸から山を切り崩した高台があり高台に沿って町がある様子だな。


市場もやはり捕れたてなのか魚介類が生き生きと動き回っている。


「さて…刹那と待ち合わせしないとだな。」


「悠希!美味そうな魚がいっぱいあるぞッ!!」


「あのねぇ…俺達は仕事で来ているんだからよ。」


「なんじゃ。ケチ…」


「分かったよ。仕事を済ませたら帰る前に海鮮丼でも食い放題でも何でも連れてってやるし、産地直送で買ってやるからよ。」


「さすが!悠希!太もも~」


「太っ腹な。」


斑の奴は元々が猫だから魚介類には目がないからな…


それに依頼場所が海沿いだとだいたいが漁業が盛んだから斑を連れてくと高くついちまうぜ…


それより刹那は何処に居やがるんだ?まぁ漁業のやってる人達ってたいがいは男の人だから口説く相手なんか…


「ねぇねぇ。そこの可愛らしい海女さん。」


「わ、私ですか…?牧師様?」


ん?なんか聞いた事がある声と、それに聞いた事がある声に牧師様?


俺は声が聞こえた方に身体を傾けて見るとだ…うん。俺の考えが浅はかだったわ。居たよ奴にとっての良い獲物がさ。


「僕ね。君のその濡れた髪に心を奪われたんだ。」


「はわわわわ…」


「それに君さ。目も澄んでいて綺麗だし、何だか首筋に口付けをしたくなっちゃうよ。」


「だ、ダメです~!牧師様!牧師様は牧師様は…」


「あれ?照れてるの可愛い。」


「あ、あう~…牧師様のイジワル…」


「ねぇ、海女さん。この後は僕に海女さんのアワビを踊り食いして潮を噴かしたい…な…?」


「何してるんだ?この色欲節操なし牧師。」


俺はセクハラ牧師に後ろから霊清銃を頭に突き付ける。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る