(6)
ネットカフェに泊まって、店のPCで連絡用のWEBサイトにアクセス。
定期報告を上げるが、上からの指示は特に無し。
今回の件には、色んな
一応、連絡用のWEBサイトとの通信は暗号化されてるが、店の中にはガラが悪そうなのが結構居て、「探る」と相手に気付かれる可能性が有るんでやってないが、魔法使い・超能力者っぽい「気」の持ち主も若干名。
「やれやれ」
ネットカフェのレジで安めのチューハイとツマミを買って、自分のブースに戻る途中に
番号は……知らないモノ。
「誰だ?」
『お……俺だ……』
「だから誰だ? 何かの詐欺でも、俺には大した金は無いぞ」
『横須賀さん……俺だ……。広域公安の土屋孝明だ』
「はぁ?」
だが……口調に覚えが……。
「おい、あんた、名前はお互い偽名しか知らない筈だろ」
『あ……すまん……その……』
クソ。公安は年々マヌケになっていってるが……こう云う点に関しては、未だに有能だ。
「それに、電話で所属と本名を言うんじゃねえ」
『すまん……こっちの居場所を送る。助けに来てくれ』
「何が起きてる?」
『いわゆる「親父狩り」だ。チンピラに追われてる』
訳が判らん。何がどうなってんだ?
「判った。そっちに向う。『道具』は要るか?」
『連中が持ってのは……刃物とバットぐらいだが……うぎゃあ……⁉』
「どうした?」
『へ……変なモノが……』
「おい、どうなってる?」
俺は電話をしながらネットカフェを出る。
電話の向こうからは……意味不明なタワ言。
どうすりゃいい?
待て……変なモノ?
魔法系か? それとも、変身能力者か?
一か八かだ。
人通りの無い路地に入り、「使い魔」達を呼び出す。
この近辺で……それらしい「気」が有る場所を探らせ……。
居た……。
系統は不明だが……魑魅魍魎の類が集ってる場所が……。
それも、「気」の具合からして、自然発生した魑魅魍魎ではなく、何者かに操られている。
ついでに、かなり弱ってるが、覚えが有る「気」。
魑魅魍魎どもの「姿」は……中国の大昔の奇書「山海経」あたりで見た覚えが有る妖怪の姿。
もちろん……「気」「霊力」のパターンを俺の脳内で「翻訳」したものなので、本当の姿ではない。
だが、その「姿」から判断するに、道教系の術者に使われている「使い魔」だろう。
術者は……待て……近くに他に人の気配が複数。
どうやら、公安崩れが言ってた「親父狩り」をやってるチンピラらしい。
困ったモノだ。
最近は、しょ〜もないチンピラの中にも異能力者が結構混っている。
とは言え、大半は普通の人間だ。
しかも、チンピラの中に混ってる術者は……仲間が同業に攻撃される場合を想定してないらしい。
1人だけ「防護魔法」をかけてる奴と……そうじゃないのが4人。
俺は、その4人に「使い魔」である「死霊」を取り憑かせる。
魑魅魍魎どもは……正確には魑魅魍魎を操っている術者は……気配からするに、
俺の「使い魔」どもは、チンピラ(多分)4人の生気を、たちまちの内に吸い付くす。
そして……。
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