第4話2Pカラーの逆襲
そういえば、私がどういうキャラかを話してなかった。
別に私が話さなくてもスマホで検索してくれれば済む話なんだけど、そこはほらキャラの口から語られるのも乙なもんでしょ?
ガス
バキ
ガガガガガガ
一方的に殴られてるラスボスは放っておくとして、
私の転生したシャクナ・クランは亡国のお姫様だそうだ。
んで最初に手の甲にキスしたアイツはシャクナの執事でシャクナのことを好きなんだって。
だから家出を助けてくれたとか。
戦ってたのは私の親の目を誤魔化すため。
_止めたけどダメでした的なヤツね?
でも了解なくちゅーしちゃダメだよねー。
K、、、、
実はさっきから何度かKOがキャンセルされていた。
_そろそろやめてやれよ。
他の格ゲーを知らないので何とも言えないがKOってキャンセルできるものなの?
_できないと思ってたんだけどなぁ。
具体的にはKOの瞬間に攻撃ボタン、なぜかどれでもいい。
それをタイミングよく押すと掴みコマンドがかかって、コンボが繋がる。
そこから自由にコンボを繋げて途切れるとKO、そこから掴みまたコンボの繰り返し、、
_なかなか可哀想な技だな。
これを隠しキャンセルというらしい。
レベルそろそろカンストしそう。
ラスボスはいい経験値なのかな?
でもラスボスだよね?
続きないんじゃ上げる必要はないんじゃないかな?
あ、カンストした。
KO!
お疲れ様でした。
聞こえてないだろうけどw
「おぃ、起きろよ」
今まで殴られてたヤツが口きけるワケないのにヒドイなシャクナ姫。
_まぁ自分なんだけど。
鼻は、、曲がったままか。
最初からこうだったみたいに鼻は脇に避けていた。
「ッ強いなキミは」
話せるんだ。
_その状態で。
鼻どころか体中血だらけ痣だらけのラスボスは切れた口から一言ずつ話し始める。
「私はキミに憧れていた」
_こんな人に?
あ、すみません。続けて。
「秘められし力、王家の生まれ、そして何よりその毅然とした出で立ち」
それはどうかなぁ?あ、続けて。
黙っていればペラペラと聞いてもいないのに身の上話をする鼻の折れたおっさん。
服装はどこかに売ればそれなりの値段になりそうなものだが、顔は残念ながら覚える暇なく潰れた。
だからおっさん。
_イケメンだったのかな。
年齢も知らないしおっさんでいい。
ッガシャァン
近くのガラスが盛大に割れた。
ラスボスは目の前に倒れている。
私は当然何もしていない。
全く身に覚えのない強襲に不意を突かれた私はガードもできずに押し倒された。
「ッ」
いくらかもんどりを打ってふと見えたその顔は、、、シャクナ!?
そんなはずはない!
シャクナは私のはずだ!
よく見れば瞳の色、服の色、髪の色がまるで反転したように違っていた。
「見つけたぞ!私の偽物め!」
いや、たぶん違うよ?
カタカタカタカタ
あ、危ない離れて!
溜まりきっていたメーターが一本減った。
瞬間シャクナが
相手のメーターはスムーズに減っていった。
K、、、
やめたれよ?
今回は大人しく一回で終わらせて、話を聞くことにしたらしい。
「キミは誰だ?」
散々ボコボコにしといてそれだけを聞く私。
_シャクナって?
もしかしてヒドイ人だったりする?
プレイヤーによるのかな。
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