第3話超必
ノラの私は基本的にやられ役で暇を持て余していた。
何回闘ってもやられてしまうCPUっているじゃん?
あんな感じの。
あの人は何のために両替しに行ったんだろ?
とか思いながら過ごしていると、
チャリン
また金の音。
あの人が帰ってきたのかと思ったが違う。
この手の動き、不器用さ、全然技も出せていない。
ガスッ
バキッ
自らダメージを食らいに行ってあっという間にKOされてしまう。
カウントダウンも無視。
ただの通りすがりの雑魚だった。
いてーんだから弱いならやんなよ。
「俺このゲーム好きなんだよな」
「負けたけど」
喋りながら余所見してやるから負けるんだよ。
コマンドくらい覚えてこいよ。
どうやら筐体には書いていないらしい。
_今はそうなのかな。
スマホとかで調べられるでしょうが。
好きならサイト覗けや!
KO!
しまった!
怒りのあまり余所見してたらやられた。
ノラだし別にいいけど。
チャリン
今度はちゃんと動いてるな。
技も出てる。
でも何で超必使わないの?
勝てたからいいけど。
一人目二人目、、使わないまま結構来たけど、ラスダンは流石に使うよね?
アレ?このコマンドは、、
メーター1本使ったけど、ガード系の技だし、周りの雑魚はふっ飛ばしたけど。
一本道上の敵を殲滅して扉まで走る私。
ガチ
両開きの扉は開かない。
鍵を、、
バンッ
ゴンッ
ドンッ
ここに来て扉に向かって超必を放つ。
因みに今のは予備動作が扉に当たった音だ。
「ごらんよ」
誰に言ってるのかわからんがデカい月が出る。
残像を残したラッシュが始まると予備動作で壊れかけていた扉は最初の二発ほどの蹴りで粉々に砕け散りそのまま奥のボスに私ごと飛んでいく。
「来たか」と言いたかったんだろうラスボスは扉の金具で鼻を折り、そのままの勢いで残りの超必を喰らい絶命。
可哀想に台詞もなしに1ラウンドを取られた。
ラウンド2
そして謎の初戦ラウンド2。
「来たかシャクナ。私はあの男とは違う」
ラウンドが切り替わってるのに鼻の位置だけは直らずにキズだけがふさがっていた。
残念だけどセリフが全然響かない。
_マントがヒラヒラして、
ヒュッ
_立ち居振る舞いも完璧なのに、
「ッフフ」
思わず笑ってしまった。
それがどう写ったのかラスボスは
「勝てるつもりか?この私に」
_鼻曲がってなきゃカッコいいのに。
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