第2話 イジリ上手と共通点

どうも、西戸レミことドレミです。

周りがうるさくて、寝れません……!

まぁ後ろには転校生が居るから仕方ないよね。後ろでは定番の質問コーナーが行われている。その中にはヒナちゃんも奏もいる。まぁ、私は興味はないけどね!

「夏目くん、趣味は?」

「うーん、サッカー観ることかな」

私はバッと振り向いた。まさかここに、奏以来のサッカーファン発見!?

「あれ、ドレミ。サッカーに反応した?」

奏は意地悪そうな顔でニタニタ笑う。

「まぁ……ね」

「この子、サッカー好きなの?」

「あぁ、西戸レミって言う。ドレミって呼ばれてる」

奏のスラスラとした自己紹介に脱帽しそうだ。あの人、案外やる時はやるね。

「よろしく」

「……うん」

営業スマイルに周りの女子たちは「キャー!」と、黄色い悲鳴をあげる。女子とか、あまり好きじゃない。ヒナちゃん以外は。私は1時間目の現代文の教科書を枕にして顔を伏せた。

でも、皆の声は聞こえる。お陰様で全く眠れない。

「ねえねえ夏目くん、クラスの女子で言うと誰が好み?」

「えぇ、そうだなぁ……」

暫く緊張感の漂う沈黙が続く。皆の神経がぴんと張られ、私の心も落ち着かない。

「まぁ、ドレミちゃんは好みじゃないかな」

失礼……! まだあまり話していない人に向かって! 思わず私は夏目くんを睨んだ。

「失礼ですね」

「ごめん、冗談だから」

夏目くんは手を合わせて丁寧そうに謝った。奏は「なーんだ、つまんね」と、目を細めて言った。

まぁ、冗談なら良いけどね……。私は何も答えず顔を伏せた。

チャイムが鳴る。1時間目の授業が始まる。周りは夏目くんの席から離れていく。夏目くんは教科書を持っているのか? すると、トン、と何かが机を叩く音が後ろからした。

持っているんだろうな……私は何となく察して授業に集中した。

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エスパーくんには誤魔化せない @frontale0520

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