第1話 転校生がやってきた!

「おはよー!」

「おはよう!」

挨拶をするとクラスの皆は返してくれる。このレスポンス、かなり好き!

私は西戸レミ!普通の高校2年生! 皆からはドレミちゃんと呼ばれている。名前から西を取ると、ドレミってなるからね。

「おはよー、ドレミちゃん」

「ヒナちゃん、おはよう!」

この子は日向音羽。サラサラのロングヘアで、目もぱっちりしている女の子。まさにクラスのマドンナって感じの子!

「おーいドレミ、土曜の有和戦見た?」

「見たよ! 蓮くんのシュート、かっこよかった!」

「やっぱりドレミが見るのは推し選手か」

「そんな事ないって!」

彼は上杉奏。同じ趣味を持つ男友達! その趣味はサッカー観戦。地元のサッカークラブ、FC大海が私も奏も大好き!

「そういえばドレミ、今日転校生が来るって知ってる?」

「え、そうなの!?」

転校生情報なんて初耳だ。でも、私よりも奏の方が噂話が来るのは早い。まぁ、本当かは分からないけどね。

「転校生って男の子? 女の子?」

ヒナちゃんも話にそっと入ってくる。入り方も女の子らしい。

「それは分からねえけど、男の確率が高いよ」

「えーっ、女子じゃないのかぁ……」

私はガックリと肩を落とす。

「でもソイツがもしサッカー好きだったらドレミは仲良くなれそうだろ?」

「うん! 一緒に試合見に行きたい!」

サッカー好きの友達は今のところ奏しかいない。もう性別なんて、どっちでもいいや!

すると、チャイムが鳴った。私たちは慌てて席に座った。私の席は真ん中の列の1番後ろの席。結構気に入っている。

いつものように日直の声に従って挨拶をする。担任の先生からただ連絡事項を聞く。

「はーい、では皆さん、転校生を紹介しまーす」

奏の言う通りだった! 私は斜め後ろにいたヒナちゃんにガッツポーズをした。ヒナちゃんはサムズアップで答えてくれる。

ガラガラとドアが開くと、男の子が出てきた。少しミステリアスな雰囲気を纏っている男の子に目が離せない。

「えーっと、自己紹介できる?」

男の子はコクリと頷いた。

「夏目ソラです。よろしくお願いします」

淡々と言って男の子は頭を下げた。

「席は西戸の後ろだな。西戸、手挙げてくれる?」

先生に言われて私は手を挙げた。男の子は無言で私の後ろに座った。チャイムが鳴る。朝のHRが終わった。

眠いなぁ……。朝だし、仕方ないかぁ

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