第59話 セキセイインコがやって来る

 一年前にペットのウサギが虹の橋を渡って行きました。

 それから程無くして、ペットロスにかかっていた妻が主治医の助言もありセキセイインコを一羽飼いはじめました。

 その子はなかなか手が掛かる上に、産卵過多でヤバイ事態に突入しかけました。

 ナカナカに甘えん坊な上に、自分の名前や「好き」という単語をしゃべれるようになってしまいました。

 しかし、四六時中面倒を見る羽目になった妻は…

「自分の時間が欲しい。

 四六時中インコの世話ばかりは嫌じゃぁー。」

 というわけで、お仲間をもう一羽飼うことになりました。


 前置きが長くなってしまいました、男です。

 さて、そんな我が家にもう一羽のセキセイインコがやって来ましたので、そのお話をさせていただきます。


 その日、妻はでした…、ええ勿論、セキセイインコちゃんをです。

 ここで彼女は最大のミスを犯します。

 そうなんです、今いる一羽のパートナーで手打ちをしなければならないところを、セキセイインコの雛を買ってしまったのです。

 ご存知の方がどの程度おられるかはわかりませんが、セキセイインコのということは、と同義になります。


 ええ、今いる一羽もさんです。

 従って手間が二倍になってしまうんですよねぇ…。


 ちなみに、新入りさんは飼い主にベッタリ状態。

 下手なワンコよりも懐いているので、離れてくれません。

 雛なのですが、そろそろ離乳食の卒業も近づき餌の切り替えに気を揉んでおります。

 まぁ、縁が在ってお迎えした大切な命です。

 大切に育まねばと思うのですが、今しばらくの間、妻が一人で自由にできる時間は訪れそうにありません。


 え、新入りですか?

 今、男の肩に乗って船漕いでますよ。

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