第44話 小さい秋

『今年10月中旬まで残暑が続きます…。』

「今年かい?!」

カーラジオから流れるお天気お姉さんの声に、思わずツッコミを入れてしまう男です。

もうすっかりご無沙汰なのですが、皆さまお元気でしょうか?


私が幼かった頃は、『お盆』が過ぎ『高校野球の決勝戦』が終わると、夏の終わりを感じたものです。

そして、夏の宿題を終わらせることの無いままに夏休みは終わり…でした。


昔から『暑さ寒さも彼岸まで』と言われたものです。

彼岸と言いますと年に二回ありますよね。

そう、『春分』と『秋分』ですね。

ところが、文明の利器おてんきよほうは、『残暑が厳しい!』とのたま

いている…。


さてさてどうしたものかと、窓を開けて車を運転していると、纏わり付くような、あの嫌な夏の熱気は鳴りを潜め、頬をクスグルのは乾いた秋の風…。

正直、びっくりしました。

カーラジオの言葉に反し、私の頬をクスグル現実の空気感カゼ…。


雲はまだまだモクモクと盛り上がっているのですが、その背後に見え隠れする空の色は『秋色』になっています。


飛び交っているトンボも『ナツアカネ』から『アキアカネ』に移行しています。

ツバメの子たちもすっかり成長し、旅立つ日を指折り数えているかも知れません。


来週になれば『金木犀キンモクセイの花』がけぶる、短い秋がやってくるのでしょう。


…今朝も、日の出前の冷気で目を覚ましてしまいました。

いよいよ、秋が忍び寄ってきたようですな。

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