第26話 クリスマスのお話
クリスマスとは、キリスト教の祝祭日の一つ。
彼らの救い主たるイエス・キリストの生誕をお祝いする日なのだ。
そして、生まれたのが深夜ということで、「クリスマス・イブ」という表現も出てきているように思われる。
さて、このクリスマス…もとい、イエス・キリストの誕生日は12月25日ではないというのは、その筋では結構知られた話である。
実際、聖書の中でイエス・キリストの誕生を紹介している2つの福音書(マルコ福音書、マタイ福音書)には生まれた所が何処で、両親が誰で…という記載は見受けられるが、「冬」を連想させる単語は登場してこない。
では、イエス・キリストの誕生日が12月25日になった事と何が関係しているのだろうか?
答えから申し上げると、北半球の「冬至」が影響しているのだ。
「冬至」とは、一年で一番昼の短い日である。
北欧では「白夜」が到来し、一日通して太陽を拝めない日々が続く。
曇っているのではなく、緯度の関係で太陽が昇ってこないのだ。
では、「冬至」はどんな意味を持つのだろうか?
冬至に至るまでは、ただただ昼間が短くなり、やがて、太陽が昇らない日が到来する。
逆に、冬至を過ぎると昼間が長くなっていき、やがて、太陽が昇る日々が始まる。
つまり、北欧の人々にとっては、あたかも太陽が死に、生き返るような分岐点とも捉えることが出来るのだ。
さて、その事象を宗教的観点から救い主の生誕に繋げようとしたのが、当時のキリスト教の指導者たちだったのかもしれない。
事実、ローマ帝国の拡大に合わせ、キリスト教も広まり、北欧との文化的な接点があったことは十分に考えられる。
◇ ◇ ◇
と、ここまでは一般論のお話。
現在、我々の住む世界は北半球の文明・文化に乗っとて生活をしているのだが、これが、南半球を中心とした文明・文化に乗っとた世界で生活をしていたら、どうなっていただろうか?
そう、「夏至」前後がクリスマスになっていたのかもしれない。
まぁ、太陽暦や太陰暦は北と南では変化がないので、一年は12ヶ月で、365日という事には変化はないと思われるが、私達の知っている暦とはだいぶん違う物になっていることだろう。
閑話休題
さて、クリスマスである。
お祭り騒ぎも悪くはないが、起源をたどり、世の由無し言をしんみりと思い巡らすのも良いかもしれない。
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