第14話 久々の銭湯


 コロナ感染からやがて3年ぐらい経っただろうか。


 今日は久しぶりに、高校時代からの友人と銭湯に行ってきた男である。


 コロナ感染が始まる前は、年に3回程度は出かけていた。


 ◇  ◇  ◇


 さて、今回は新車のカーナビ評価も兼ねて、新しいところを目指してみた。


 さぁ、目的地は決まった。

 レッツらゴーだぁ...


 1回目、小高い丘の頂上。

 公園でも、なんでもなく、ただ畑が広がる丘の上。


 2回目、住宅街のど真ん中。

 まぁ、無くはないのでしょうが、予定していた地名とは程遠いものでした。


 3回目、集合住宅団地で小学生に事情聴取をしているお巡りさんが居ました。

 野郎二人乗りの見慣れない車は、さぞかし奇異だった事でしょう。


 …という具合に、見事カーナビ操作に失敗し、道に迷った挙句、どうにかたどり着く事に成功しました。


 あとは、銭湯が休業でないことを祈っていましたが、普通に営業してました。

 店番のおねえさんが居なかったのには、ドキッとしましたが、控え部屋に居たようで、声をかけると、出てきてくれました。


 いよいよ湯船とご対面です。

 更衣室を出ると眼前右手に二十畳ほどの湯船に、かけ流しの熱めの硫黄泉が波打っている。

 更衣室の隣にはサウナが置いてあるらしく、右の手前には冷泉がある。

 湯船の反対側には十畳程度の洗い場が置かれている。

 奥には、扉を隔てて、六畳程の外湯がキンモクセイの生け垣を背後に佇んでいる。


 手早く体を洗い流し、いざ熱々の湯船に浸かると、体の芯から疲れが取れる。

 あまり浸かっているとノボセてしまうので、早々に外湯に移り、半身浴が始まる。


 硫黄の匂いに心湧き立ち、しばしの憩いに心身もリフレッシュ。

 友人との他愛ない会話に明け暮れました。


 やっぱり、こんな時間が必要なんだと実感した男でした。

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