第13話 人の背中を押すモノ

 4日前に小休止おさぼり宣言をした男である。


 仕事に邁進するわけでもなく、

(ご飯は食べないといけないので、手抜きはしていません…適度には抜いてたかもしれないけど)


 趣味からも足を抜いて、

(惰性で、なろうさんからの引っ越しをしていましたが)


 漫然とした時間を送っていた男。


 ◇ ◇ ◇


 空虚な魂


 動く事を忘れた心


 考える意味を見出せない頭脳



 感性のアンテナもたたまれ


 目に映る事物はまどろんだ風景に呑み込まれ


 耳に届く音楽も声も、風の音に馴染んでしまった


 鼻に届いていた、微かな晩秋の香りも鼻水にかき消され


 口に含む食べ物も、ただ生命をつなぎ留めるだけの些末なものになっていった


 ◇ ◇ ◇


「生きていられるって幸せだよ。」

 という詩が昨夜届いた。


 と叫び続ける声

 涙は枯れていたと思ってたが、

 久しぶりに頬を雫が流れて行きた。


 急速に取り戻される感性


 忘れていた言葉

んじゃない!

 んだ!!」


 依頼されてた仕事も、スッカリお座なりになっていたので謝らないといけない。

 ただ、謝るにしても、冷めた言葉は出てこない。

「さて、どうしたものか?

 どうやって解決していこうか?

 現状はどうなのか?」


 必死に回転を始める脳みそ


 ◇ ◇ ◇


 少し、を取り戻す事が出来たようです。


 言葉の重み、すばらしさを改めて実感するとともに、そこから紡ぎ出される言葉おもいの数々に敬意を払わずにはいられなくなった。






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