Ⅱー12.夢の跡

 その後、どうやって家まで帰ったのか健太はよく覚えていなかった。

 財布を開けると、行く前には入っていなかった一万円札が2枚入っていた。

 バイト代は確かに受け取ったらしい。

 鞄の中には精液が付いた雑巾が入ったビニール袋があった。

 帰り際、麻美部長に「これは持ち帰ってね」と言われたような気がする。


 健太は「なんて恥ずかしいことをしちゃったんだろう?」と後悔した。


 それから、パンティーを見せてきた四人の女性について考える。

 真ん中の子を除いた右側の三人は…絶対にわざと見せたんだと思う。

 姿勢が不自然だった。あんな格好を普通はしない。

 でも、それは「逆ナン」ではなかった。

 健太は考え直した。そうして理解した。

 自分のチンコを勃起させて面白がっていたことを。


 美術部長の麻美のしたことも思い返す。

 彼女は我慢汁を拭き取るために、勃起した健太のナニを、汗取りシートでつっつき、最後は指で亀頭をつまんだ。

 射精させるつもりはなかったんだろう。まさか、射精するなんて思わないもんな。


「止めて」と言えばよかった。そしたら、止めてくれたろうに。

「止めて」と言えなかったのは…「止めて」と言わなかったのは…


 気持ち良すぎたからだ。

 そして、その後の射精は…

 今までの射精の中で最高に気持ちがよかった。

 どんなオナニーよりも、どんなセックスよりも。

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