Ⅱー11.写真撮影

「いやー」と叫んだ後に、自分の画用紙を見つめて泣き出したのは、香織だった。

 その絵には大量の精液がかけられていた。

 健太は呆然と突っ立っている。

 即席美術部員の三人も香織の画用紙の状況を見て、泣いている香織の気持ちを理解した。しかし、今、彼女たちの関心は健太のチンコに向いていた。

 それはまだ、ぴくんぴくんと動きながら、精液をたらし続けてる。彼女たちはそれを興味深げに眺めている。

 麻美は美術部長として、今日のイベントの主催者として、やるべきことを考えた。

 そして、「今日は終わりにしましょう」と声を発した。デッサン会を続けられる状況ではない。

 それから、それを拭いてと雑巾をと健太に手渡す。

 彼のチンコや玉袋は流れ出した精液にまみれていた。

 我に返った健太がそれを受け取り、自分のチンコを吹いていると、

「ちょっと待って」と美穂から声がかかった。

「まだ、書き終わっていないのよ」と右手に持った鉛筆で自分の絵を指し示しながら、麻美に訴えかける。

「写真、撮っていい?後で写真を見て仕上げるから」

と続ける。

 麻美にしても自分の作品がまだ完成していなかったので「あ、そうね」と美穂に同意すると、健太の顔をじっと見つめて「写真撮るけど、いい?」と強い口調で言う。

 もし、健太が拒否したら『あなたのせいでデッサン会が中止になったんだから』と言うつもりだったが、放心状態の健太はただ頷くだけだった。

 麻美は席に座りるとスマホを取り出し、美穂と並んで、写真を撮り始めた。

 泣いている香織もバックから携帯を取り出した。


 それを見て、即席美術部員三人も一斉にスマホを取り出した。

 ペニスには精液がまだ、びっしりと付着している。こんな珍しい光景を写真に撮るチャンスはめったにない。

 明日香に至ってはこっそりと動画モード撮影していた。

 健太のそれが段々と縮んでいく姿が彼女のスマホに記録された。

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