第5話 多分今は変わったと思いたい医療現場

1年持たなかった職場の中に、産婦人科の住み込みがありました。

元々医療事務に興味があって務めただけなのに、君看護師向いているよ、という院長の一言で、何故か住み込みの「看護助手」兼「医療事務」兼「患者への食事製作補助」兼「鍼灸弟子」という立場が与えられたのです。


若かったから全部できた…。


食事製作補助は、当番制ではあったが、朝起きたら料理を作る専門の人の補助をひたすらする。

何作ってたのか覚えているのはパイナップルってこうやって切るんだ~程度。

朝はバイキング形式だったので、そちらに並んだ食事を食べてもらう。


そして残った分が私と同じ住み込みの先輩2人のご飯です。


途中から足りない&起きたらすぐご飯を食べる方が楽と気が付き、1人用の小型炊飯器と米を持ち込み、毎朝卵かけご飯をナースステーションの横にある元分娩待機室だった和室でガツガツ食ってました。

途中まで院長も副院長も知らなかったらしく、物珍しい生き物扱いされました。解せぬ。

夜ご飯も当然手伝うのですが、その際は1人1皿?ちゃんと食事支給されてます。お昼も同様。


もう1人の先輩からのあたりが妙にきついなぁと思っていたら、先輩の部屋は木浴室の後ろで、クーラーがないって事が気に入らなかったらしい。

私の部屋はクーラーあったから。


ついでにナースステーション&新生児室&分娩室前の個室だったので、ふざけて私の苗字を書いていたら、気が付いた患者さんにびっくりされた事があります。誰か入院しているけど長いなぁとか思われていたらしい。切迫流産で長期入院している患者さん達もいたのでなおさら。


朝食が終わったら朝の外来前の、入院患者の検温チェック。

それを看護師に提出し、外来に移動して医療事務。

あの当時は未経験だけど元々ワープロ使っていたので文字打ちは慣れていたからある程度何とかなった。


さらに看護助手なのですが、現在では医療の法律で多分禁止されているとは思うけど、点滴の針を抜くのも私の雑用の一つ。

ちなみに院内処方だったので、粉薬の分包作業もやってましたよ。抗生物質は高いから数値ギリギリで瓶から入れろと言われてもさ、まともに説明受けてないんですけど?副院長(現奥様。院長は離婚経験あり。もしかしたら男児が生まれなかったのが原因かも)によく、聞いてない内容で苦情言われたのを時々思い出します。

副院長は家事もしてたのかな?しょっちゅうすぐそばの院長の両親が住む家に帰って休んでたけど。

担当が小児科と内科だから労働勤務時間は少なかった気がしたな。


帝王切開の後の片付けを教えられて一通りやるし、新生児室で預かった乳児にミルクを飲ませたりもしてました。


1回、院長先生が学会で代理の先生をお願いしていた時、お産が始まる状態だったけど、代理の先生は外来後帰宅しちゃって、何度か経産婦(お産を1回以上経験した人。2回目以降はめちゃ早く生まれやすい)だから、と言っていたにもかかわらず、結局遅すぎて助産師助手(助産師の専属の助手で県の講習会を受けているような話を聞いたことがあります)のおばちゃんと、ド素人だけどお産の現場には入社?以来24時間ほぼ毎回入っている私の2人で取り上げるという恐ろしい事件もありました。


先生?間に合わなかった事が原因か、私が急いで―ってしつこくしたのが原因か、産後の処置をしたらまた早々に帰っちゃいましたよ。


その辺は院長先生に話したけど、被害に遭った産婦さんと旦那さんは2回目だったけどもうここには通いたくない、って言ってましたねぇ。


また、通いのような感じで助産婦さんも夜勤とかされてます。


どっかで書いたけど、昔は…なんてホラーなお話を何故かされるんですよね。

私、その病院でしょっちゅう子供が走り回る足音や、声聞こえてたから集まるもんなんかなー、でも見えないから良いやって感じでしたが。


私の看護師への適性がない+医療事務でも接客能力的にも適性が無かった事も含め、春ごろに自然にやめたい、やめてくれ、という感じでお互いの希望が一致し、何故か円満に退職できた1号とか言われてその病院をやめました。


その時期はとある災害や身内の面倒な事件?の加害者扱いなど、色々最悪な事が重なった事もあり、心機一転で別の事をしたかったので丁度良かったです。


この仕事をした経験の結果、内臓見ても平気。さすがにまだ生の死体を葬式以外で見た事ないのでわかりませんが、夫が開頭手術しても無事なら平気ですになりました。注射も結構見ないようにしていたけど、針直接抜く作業しているうちに気にならなくなりました。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る