第3話
理科室では竜巻の仕組みを観察する実験が行われていた。ドライアイスが筒状のビンの中を渦巻くと、子どもたちの無邪気な歓声が沸く。
だが次の瞬間、歓喜は悲痛な叫びとなった。一人の女生徒が、おもむろに筒へ手を突っ込むと、ドライアイスを掴んだのだ。
「何してるんだ、サラ!」
教師が叫びクラスメイトがざわめく中、サラの手の中でまるで冗談のように煙が湧き出る。そのあまりに平然とした態度から、彼女はなにかの異能力に目覚めたのではないかと思われた。
だがその期待に反して、彼女の手はみるみる水膨れで膨れ上がり赤く腫れていく。
やっと白い塊が解けると、少女の両手は見るに堪えない有り様だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます