12日目
放課後の出来事。
僕は、彼女に約束したことを聞いてみることにした。
「東さん、ちょっといいですか?」
「何か用なの?光希君」
「約束の事なんだけど、詳細を知りたくて。」
「場所とか時間を知りたいんだ。そうでしょう?」
「そうです。」
「うーん。でも今忙しいから後で連絡するから。」
そう言って彼女は走り去っていった。
後で連絡するはいつのことなのだろうか。僕は心の中でそう思っていた。
まぁ後で連絡するってことを本人から聞けたんだし僕は家に帰ることにした。
それから数時間が経ち、僕がお風呂から上がってくるとスマホが鳴っていた。
それに気づいた僕は咄嗟に電話に出た。
「もしもし。」
僕はとりあえずそう返した。相手からの返答を待っているとどこかで来たことのある声が聞こえてきた。
「もしもし。光希君?」
声の主は美久だった。その声に安心して僕も返事を返した。
「そうです。江口光希です。」
「何かフルネームで言ってる。」
スマホ越しからくすくすと笑っている音が聞こえた。なんで笑うんだろう。
僕はただ自分の名前を言ってあげただけなのに。
「えーとね。集合場所はね。学校から右に曲がってそのままずっと真っ直ぐに進んで次の交差点を渡って、さらに真っ直ぐに進むの。」
彼女がどこで待ち合わせをしようとしているのか僕には見当もつかなかった。
「進んでくとファミリーレストランがあるからそこを右に曲がって少し進むと大きい公園があるの。そこで待ち合わせね。
「口頭だけだと全然分からないんだけど。そこの住所を送ってほしい。」
「やっぱり口頭だと分かんないか。ごめん。ごめん。」
彼女は謝りつつ住所を送ってくれた。住所を見て僕はこう思った。
この辺行った事がないから全然わからんと。そう思っている間に彼女が話始めた。
「それでね。時間は10時でいいかな。」
「うん。」
「じゃあこれで待ち合わせの件は一段落したと言うことで。何話す。」
「じゃ、おやすみなさい。」
僕は仕返しをしてやった。さっきのお返しだ。
「えっ、ちょっと待ってよ。もう寝るの?」
「まだ寝ないよ。」
「そうやって私をいじめるんだ。ひどい。最低~。」
「そこまでひどいこといってないきがするけどな。」
こういった第三者目線だとイチャイチャしているように見えてしまわなくもないやりとりを夜遅くまですることになるとは僕は思っていなかった。
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