9日目 お出かけ(美久)
昨日は、家族の付き添いでシロクロに行ったけど偶然にも光希君に会えるなんて思ってもしなかった。話しかけたかったけどレジに並んでいたから光希君の元に行くことは出来なかった。偶然にも会えることなんてなかったから話したかった。とても悔しかった。でも、光希君から声をかけてくれても良かったのではと思ってしまった。
その後は、家に帰ってすぐに光希君に電話をした。なぜなら、待ち合わせの場所と時間を教えるためだ。この日はすぐに電話に出てくれた。
『明日、〇〇の広場に10時30分に集合でお願い。遅刻はしないでね。』
光希君の返事は分かったと一言だけ言って電話が切れた。簡潔にしすぎて1分も経たずに電話が終わった。
『もう少しだけ話したかったなぁ。後、今日のことも聞きたかったのに。』
私は少し頬をムクっと膨らせた。いつもならこんなことしないのに光希君が関わるだけでこんなにも違うことが起きてしまう。なんか新鮮で面白かった。私は元気になりそのまま寝た。
昨日はそんなことがあった。振り返ってたら朝になっていた。私は寝ることなく朝になっていたのは初めてだった。ベットから起きて準備を始めた。女子の準備には時間がかかるため女子の朝は早い。私はテキパキと動いた。
準備が始まって2時間が経ち、準備が整った。今の時間は9時だった。私は再度確認をした。髪型、メイク、服装など鏡を見ながらチェックをした。中学生にしては完璧だと鏡をみながらそう思っていた。服はチェック柄のワンピースを着ていくことにした。光希君が何色が好きなのか分からないけど今日知ればいいっか。メイクは軽めにして、髪は少しだけ巻いてみた。いつもと雰囲気が違うこときづいてくれるかなとか不安に思いながら私は家を出た。
家を出て待ち合わせの広場に着いた。1時間早く着いてしまった。広場を見渡しても光希君はまだ来てなかった。私は近くのベンチに座った。このベンチで光希君を待つことにした。待つとは言ったものの寝てないから首がコクってしちゃう。寝ずに待っていようと思ったけど少しの間寝ることにした。
数分後、微かに声が聞こえる。誰だろう。
「あずまさん、起きて。」
光希君の声だった。ひとまず安心した。知らない人だったらどうしようと思ってしまった。でも、光希君も1時間早く来てくれたんだ。少しうれしかった。私はここで光希君をいじってみよう思った。
「私に早く会いたくて1時間も早く来てくれたのかな。」
「ちっちがうよ。待たせるの悪いかなって思って早く来たんだ。」
その言葉を聞いてちょっとしょんぼりしてしまった。この気持ちはなんだろう。
この気持ちはいずれ分かると思ってこの時は気にしなかった。のちに美久は気づくのだった。それから、光希君と手を繋いで目的地を目指すのであった。
私は手を繋いだけどこれでいいのか分からなかった。手を繋ぐってこんなに緊張するものだと今日知った。でも、何か自然と笑顔になっていた。光希君の方をチラッと見たら恥ずかしそうにしていた。私も最初は恥ずかしかったけど楽しくてそんなことは気にしなくなった。今日は、楽しい日曜日になりそう。
でも、服装をほめてくれないのはちょっと悲しいかな。こんなに頑張ってきたのに。
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