7日目
僕は、今美久と一緒に帰っているところだ。なぜ、一緒に帰っているのかって。僕にもわからない。話の流れでこうなってしまったのだから。今、気づいたけどほぼほぼ美久と一緒に帰っている気がする。そう1人で歩きながら考えていると美久の声が急に大きくなって聞こえてきた。
「光希君、聞いてる? 聞いてないよね。」
「ええっと、何の話だっけ?」
「やっぱり聞いてないじゃん。ちゃんと聞いててよ。」
「これから気をつけます。で何の話だっけ?」
「だから、今度の日曜日お出かけしようって言ってるじゃん。」
「僕なんかでいいの?」
「光希君と行きたいから誘ってるんでしょ。」
僕は、この誘い正直断りたいと思っている。なぜなら、女子と2人で出かけた事なんてないし、これっていわゆるデートってことでいいんだよね。でも、さっきから美久の目が上目遣いで駄目なのって言ってきている気がする。そんな身長変わらないのに。でも、美久がこんなことしてくるなんて意外だったと思ったところで美久がさらに近づいてきた。
「やっぱりだめ? それとも他に用事があったり?」
「ううん。特に用事はないけど。」
「けど、なにか問題あるの?」
何か圧が強くなってきてない。気のせいかな。もうここまで来たら断れなさそう。
「いいえ、一緒に行かせてください。」
「じゃ、決まりねーーー。」
「でも、何しに行くの?」
「えーーと、とりあえずショッピングにしとく。」
「東さん、何か適当じゃない。もっとしっかり予定決めないとだめだよ。」
「いいの。こういうときぐらい適当でいいの。」
「東さんがそれでいいならいいけど。」
「後ねーーー。あれから名前で呼んでくれないなぁ。」
「また、その話するの。」
「光希君が名前で呼んでくれるまでずっとするよ。」
僕は歩くスピードを速くした。この話はきりがないから一刻も早くバス停を目指した。でも、美久は追いついてきた。
「そーやて。また、逃げるんだ。」
「逃げてないよ。一刻も早く帰りたいと思ったから。」
「本音駄々洩れだよ。」
僕はつい口が滑って言ってしまった。僕は、歩くスピードを元に戻した。なぜなら、バス停がもうすぐそこにあるからだ。
「じゃ、東さんまた日曜日。」
別れようとしたとき、止められた。
「待って、連絡先教えて。」
そういえば僕も知らなかったと思い出した。まぁ、知っていても特に連絡する事なんてないけど。僕は、そっとポケットからスマホを出した。僕は、連絡先を美久に教えた。
「これでいつでも光希君に電話かけられるね。」
「冗談だよね?」
「さぁ、どっちでしょう。」
美久はにっこりと笑いながら信号を渡っていった。これからどうなるんだろう。と思う僕であった。
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