7日目
美久とと別れてから時間が経ち、僕は自分のベッドに置いてある枕にスマホを置き、一旦椅子に座った。
『どういうこと。何かの間違いかな。それとも夢なのかな。』
僕は、現実ではないと思っていた。あれは夢だった。どうか、家族の連絡先しかありませんように。僕は、枕の上に置いたスマホを恐る恐る見た。僕の願いは急に叶うわけもなく、美久の連絡先があった。
『まぁ、あるよね。』
スマホをまた、枕の上に置いて僕は、これからどうしようか考えていた。別に美久と学校以外で話すことなんてないし。それに僕から電話するなんて考えられないから明日、直接美久に聞いてみることにする。連絡先を消していいかと。僕は、結論が出たところで風呂に入ることにした。
僕が、風呂から出て自分の部屋に戻ってくるとスマホが鳴っていた。僕は、慌ててスマホを確認した。電話を掛けてきたのは美久だった。僕は、出るかどうか迷っていた。そしたら電話が切れた。僕は、電話に出なかった罪悪感があるもののどう出て良いのか分からなかったから一安心していた。だか、この一安心は一瞬で消え去った。なぜなら、また美久から電話がかかってきたのだ。僕は出ることにした。
『あの〜もしもし。』
『何で1回目出なかったの?』
やっぱり聞いてきた。僕は適当な理由を言った。
『風呂に入っていたから出れなかったんだ。決してスルーした訳ではありません。』
『何か文脈おかしくない?』
『いえ、おかしくありませんよ。』
『何か変な光希君。面白いからいいけど。』
『それより何か用があったのでは?』
『そうだった。すっかり忘れてたよ。』
電話をしている間、僕は一刻も早く終わってほしいと思っていた。なぜなら、家族に聞かれるのだけは嫌だったから。僕は誰にも聞こえていませんようにと願いながら一刻も早く終わることを祈った。
『光希君、日曜日空いてる?』
『空いてるけど何で?』
美久が一瞬黙った。何か言いづらいことなのだろうか。僕は待つことにした。1分間ぐらい沈黙が続いた。流石に沈黙が長いと思ったので自分から話しかけた。
『東さん、何かあっ』
『日曜日、出かけよう!』
『はい!!』
僕は思わず返事をしてしまった。これってデートではないかと僕は思った。美久の方から小さい声で何か聞こえた。でも小さすぎて聞き取れなかった。まぁ、いっか。約束はしたものの返事ともに電話も切れてしまった。また、連絡が来るだろうと思った。それよりも着ていく服がないことを思い出し、明日買いに行ってこようと思う光希であった。
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