5日目

あれから数十分後、僕は下駄箱で靴を履いて美久のことを待っていた。階段から降りてくる音がした。僕は振り返ってみた。案の定、美久だった。


「ごめん、ごめん。遅くなっちゃった。待った?」


「ううん。そんなに待ってないから大丈夫。」


美久が走りながら僕の方に向かってきた。僕は心配になった。さっき、怪我をしたばっかなのにそんなに走って平気なのかと。僕は聞いてみることにした。


「東さん、走ってきたみたいだけど足は大丈夫なの?」


「うん。大丈夫だよ。光希君に手当てしてもらったからね。後、戻ってるよ。」


「大丈夫ならいいけど無理しないで。」


僕は、察して無視をした。もう名前で呼ぶのは無理。


「あーーーー。今、無視したよね。そんなことするんだ。」


僕は、また無視をした。美久がにやにやしだしたがとりあえず帰りたい。


「とりあえず帰ろう。」


「そうだね。とりあえず帰ろっか。」


そうして、僕と美久は学校を出た。


学校をでて美久がいきなり謝ってきた。


「光希君、ごめんね。部活、陸上部にしようとしてたんだよね。」


僕はビックリしたけどすぐに返事をした。


「そんなに気にしなくても大丈夫だよ。元々入る気はそんなになかったから。」


「ほんとうに。なら良かった。でも、部活はどうするの?」


「テニス部にしようかなって思っている。」


「なーんだ。ちゃんと入りたい部活決まってるじゃん。」


「まぁ、そんなにやる気はないけど。」


「そうなの?じゃ、私と同じ部活に入る?」


僕は流石に冗談だと思ったが美久の目を見ると目がガチだった。

僕は冗談で言ってみることにした。


「じゃ、そうしようかな。」


「じゃ、決まりね。やった!!」


美久は大袈裟にはしゃいでいたが僕はやっちまったと後悔した。

それから、気づいたらいつも公園に着いていた。気づかないほど喋っていたのかと僕は驚いた。僕が驚いていると美久が近くまで来た。


「光希君、また明日ね。」


僕は頷いてバス停に向かった。近づかれると緊張するからやめてほしいと思う僕であった。










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