5日目
足を怪我した美久を背負って保健室の前までやってきた。
僕は扉を叩きドアを開けた。
「失礼します。」
扉を開け、中に入った。でも、そこには保健室の先生は居なかった。僕は、先生を読んできた方がいいのかと思ったけどとりあえず美久を椅子に座られることにした。
近くに置いてあった椅子に美久を座らせた。
「美久、とりあえず先生呼んでくるよ。ちょっと待ってて。」
僕はそれだけ伝えて出ようとしたが美久に止められた。
「光希君、行かなくて大丈夫だよ。」
「呼ばなくていいの?」
「うん。どこに何があるのか大体わかるから。」
「じゃ、僕が準備するから教えて。」
それから、美久が言ったものを持ってきた。僕は、美久が届く範囲に置いた。これで大丈夫だと思って、保健室を出ようとした。
「光希君、どこ行くの? 手当してくれないの?」
「僕、手当なんかしたことない。」
「大丈夫。私が教えるから。」
「東さん、わかったよ。」
そう言って僕は美久の方に近づいた。美久の目の前でしゃがんだ。しゃがんだ後は、美久の血が出ている部分に消毒液を垂らした。
「痛いよ。もっとやさしくしてよ。」
「東さん、ごめん。」
「後、さっきみたいに名前で呼んで。そしたら許してあげる。」
美久がさっきから機嫌が悪かったのはそういう事だったのかとこのとき知った。
「さっきは、勢いで呼んでたから。今は恥ずかしくて無理だよ。」
「じゃ、許してあーーげない。私このままだとずっと不機嫌だよ。いいの?」
その聞き方はずるいよ。このまま美久が不機嫌なのはこれから面倒なのでこれは仕方がないってことで頑張って呼んでみることにした。
「みっみっみっみく。」
「どんだけみ言うの。さっきまで普通だったのに。
(小声)あんなにはっきり呼んでくれたのに。」
美久は下を向きながら小声でぼさっ何かを呟いていた。でも、この時、僕は美久の方を向いていなかったため美久がどんな表情をしていたのか知らなかった。
美久が笑いながら言ってきた。僕もさすがにムカッとした。
「もう言わない。」
僕は少し怒ってみた。そしたら、美久がごめんって言ってくるけど僕は無視した。ちょっと面白いと思ってしまった。だけど、さっき美久が小声で何かいっていたような気がしたけど気のせいか。こんなやり取りをしていたら部活の見学は終わっていた。
美久の手当てを急いて終わらせて一緒に帰ることにした。
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