5日目
朝からの出来事から時間が経って、放課後の部活見学の時間になった。前に美久の部活見学を行ったため、次は僕の番ってことで運動部の見学にいくことになった。美久は嫌そうだったが約束だったため来てもらうことになった。予定では、陸上部だけ行こうと思っている。テニスの方は、僕一人だけで行くことにした。美久に陸上部の見学に行くことを伝えた。
「陸上部行くの? 私、走るのダメダメだよ?」
「大丈夫だよ。困ったら僕が何とかするから。」
「まぁ、光希君がそういうなら。頼りにしてるよ。」
美久が上目遣いで言ってきた。そんな顔で言われても困る。
「うううんん。」
僕は照れ隠しのために頭を書きながら言った。それから、僕と美久は体操服に着替えて、陸上部の見学をするため校庭に向かった。校庭に出てから陸上部の見学の所に行き説明を受けた。説明を受け、実際に短距離走をすることになった。僕は、これでいいタイムが出たら陸上部に入ろうと決意した。タイムを計る際、2人ずつ計るらしい。僕と走るのは美久だった。それもそうかと思った。陸上部の見学に来ている人たちは友達と来ている人が多いため、友達と走る人が多かった。
僕は美久には申し訳ないけど本気で走る。流石に美久には言っといたほうが良いと思って美久に話をした。
「ああああずまさん、本気で走ってもいい?」
「いいよ。私の事は気にしないで大丈夫だから。好きに走って。」
「ありがとう。でも何かあったらすぐに駆けつけるから。」
「その時はすぐに来てね。」
僕はうなずいた。それから順番を待っている間は、美久と話をしていた。話の内容は簡単に言うと自己紹介の延長戦みたいな感じの内容だった。話をしていたら、順番が来た。僕と美久は、走る準備をした。準備が出来たら、陸上部の先輩が
「位置について、よーーーいどん!」
と言う掛け声とともに僕たちは走り出した。走り出しはぼちぼちよかった。このままいけばいいタイムが出そうだった。だが、ここでハプニングが発生した。何か後ろから凄い音がした。後ろから美久の声が聞こえた。僕は、走るのを辞めて後ろを見た。そこには、足から血が出ている美久の姿が見えた。僕はすぐに駆け寄った。
「美久、大丈夫? 立てる?」
「流石に無理そう。光希君、手かしてもらえる?」
「それくらい良いけど、その傷で歩ける?」
「痛いけど、保健室まではなんとかなりそう。」
僕は、手を貸そうとしたが辞めた。僕はしゃがんでおんぶの姿勢をした。
「光希君、流石におんぶはいいよ。はずかしいし。」
「そんなこと言っている場合じゃないよ。美久、早く。」
「それじゃ、保健室までよろしく。」
そう言って美久が僕の背中に乗ってきた。美久の身体は柔らかかったけど今はそれどころじゃない。僕は心を無にして保健室に向かった。
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