3日目

僕は、隣の美久の方を見た。美久は、絵を描いていた。さっきまであんなに意地悪していたのに、急に真剣に絵を描いていてびっくりした。僕は、美久が何の絵を描いているのか気になったため、聞いてみることにした。


「東さん、何の絵を描いているの?」


「知りたいだ。じゃ、光希君が私の事を名前で呼んでくれたら教えてあげてもいいよ。」


僕は戸惑っていた。名前で呼ぶのか。昨日、知り合ったばかりなのに。いやいや、名前で呼ばなくても隣の席なんだしこっそり見えるでしょ。僕はそう思い、こっそり見ることにした。美久の机の方を見てみると紙はなくなっていた。僕は、美久自身を見た。そしたら、美久が紙を持っていた。僕のこっそり見る作戦は失敗に終わった。


「名前で呼ぶだけだよ。簡単じゃん。でも光希君には難しいかw」


くーー。笑いやがって、僕だってそれぐらい出来るし。僕は、覚悟を決めて名前で呼ぶことにした。


「みっみっみっみっくさん、これで許してください。」

僕は、緊張しながらも頑張って声に出して呼んだ。昨日の自己紹介よりも緊張しているのが自分でも分かった。


「分かったよ。今回はこれで許してあげる。頑張ったね。」


美久は、僕の頭の上に手を置き、なでてくれた。同年代の子に撫でられるなんて思いもしなかった。僕は、恥ずかしくなり席から立って窓際に逃げた。美久は少し驚いていた。でも、僕は何もなかったように自分の席に戻った。自分の席に戻り、美久の方を見た。そしたら、絵を見せてきた。


「じゃじゃーん。これだよ。誰だと思う?」


僕は美久が見せてきた絵をじっくり見た。僕は驚いた。だって、この絵は僕が恥ずかしくて顔を赤くして隠して座っている姿の絵だった。僕は、この絵を美久から奪ってゴミ箱に捨ててやろうと思い、取ろうとした。だが、美久に止められた。


「光希君、何する気?奪って捨てようとしたでしょ。この絵は、私が大切に保管sるから心配しないで。」


「そんな絵早く捨ててよ。恥ずかしいよ。」


「朝から、光希君の照れてる姿いーーっぱい見れたから私は満足だよ。」


「僕は、最悪だよ。こんな恥ずかしい姿見られて。」


美久はにっこり笑っていた。朝からこんなことがあるなんて思ってもみなかった。最悪の始まり方で今日一日やっていける気がしなかった。

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