1日目

それから僕は、中学校を目指していた。

中学校から少し遠いバス停で降り、そこから10分ぐらい歩いた先に中学校があった。


『とうとう中学生か、楽しい中学校生活にしたいな』


 陰キャの僕でもこう思う事はあるのだ。気を引き締めて門を通り抜けると、少し先に何やらプリントを配っている人がいた。


『何だろう?』


 僕は、プリントを配っている人の近くまで行き受け取った。


 それには、知らない人の名前や自分の名前が書いてあった。そのプリントを見ていると何やら校庭の方に人が集まっている。行ってみるとそこには掲示板が置いてあって、クラスが書いてあったのだ。


1組から10組まであり、自分の名前を探すのがとても大変だ。嫌々探していたら、2組の所に江口光希と名前があったのだ。


『あった、友達も一緒のクラスかな』


 僕は、小声で呟いた。その後、何人かの友達と一緒になった事を確認して自分の教室に向かう事にした。初めて入るので場所が全然分かんなくて困っていたら、上級生の先輩が優しく案内をしてくれた。それでやっとの思いで自分のクラスにたどり着いた。自分のクラスがまさか4階にあるとは思わなかった。


『階段登るだけで疲れちゃうよ。』


 僕は、そう思いながらも何とか教室の前にたどり着いた。教室の前まで行き、ドアの小さい窓から教室の中を見ると何人か居たがみんな自分の席に座っていた。


 僕も自分の席に座ろうと思い、黒板に貼られている、座席表に自分の名前を確認し、1番前の席に座った。座っていて思った事が1つある。たまたまだが、隣の席の苗字が見えてしまった。東と書いてあった。


『東か、男子っぽいな』


 僕は、男子だと勘違いしていたが、この後、女子だとびっくりする事になる。

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