高校

今日から高校生になる。

うわーっ!

ほんまは由菜ちゃんといっしょに同じ高校に行きたかったんやあああ!

でも由菜ちゃんは由菜ちゃんで自分の道を行っている。

うわーん!だからひとりで行かなあかん。

でも行きたい高校やから、ええかー。

高校生だー!ドキドキ!わくわく!

「ママおはよー」

「おはよーあやめっち!朝もちゃんと食べておきなさいねー」

朝ごはんを食べた。トースト美味しい。

サラダもスープも美味しい。


部屋に戻って制服に着替えた。

部屋に空里、入ってきた!

「あやめっち、制服めっちゃ似合ってるやんっ!可愛い~」

「パンツでもスカートでもええから今日はパンツにしたでー」

「パンツめっちゃ似合ってるー!可愛い~」

「今日から高校生やからドキドキするなー」

「あやめっちも自分の行きたい高校に行けるんやから良かったな」

「そやな」



「いってきま~す」

「いってらっしゃ~い」


物置小屋に行く。ドアをキキーッと開けた。中に入って自転車を外に運び出した。

自転車のハンドルを持って、庭を通っていく。

門をあけて、自転車を道に出して、自転車にまたがってペダルをこいで出発した。


自転車に乗って、駅へと向かって走り出した。


電車に乗った。

高校へと向かって。

制服着てると電車乗ってもドキドキだー。


「あれー?あやめっちー?」

声のするほうを見たら、高津楓ちゃんやった。中学で同じクラスの。

「うわー!楓ちゃんやんー!もしかして同じ制服ちゃうの?府立はどうしたん?」

「こっちにしたの!女子大の付属やから」

「えーっ!まじかー!じゃあ、いっしょの高校なん?」

「そうやでー」

「うわー!ほんまかー!やったあああ!」


駅に着いたら駅前で美味しいパンの香り、漂ってきてた。

「うわっ!めっちゃ美味しそうなパンの香りするー」

「入ってみようー」

楓ちゃんとパン屋さんに入って、焼きたてのパンを買って食べた。

楓ちゃんはクロワッサン。ボクはカレーパン。食べながら高校へ歩いた。

「そういえば、朝ごはんもトーストやったわ」

「うちは、卵かけご飯やった」

「でもカレーパンやから、パンでもカレーみたいなとこもあるからええわ」

「それな」


学校に着いたら、校門のところに「入学式」って書いてあった。

「あっ!今日は入学式なんか~」

「そうやで~」

「その前に自分の教室に行かな!」

「そっか~」


「ボク1年3組やでー」

「えーっ?うちも3組やで」

「うわっ!じゃ同じクラスやんかー!やったあ!」

「ほんまかー」


それから講堂に行って入学式に出席した。

楓ちゃんといっしょに並んで座った。


「副担任の先生な、知ってる人やねん」

「えーっ!ほんまー?」

「うんっ!中学生の時に西表島に行って、そこで会ったんやけど、当時は女子大生やったんやでー」

「えーっ、そうなんや」

「しかも、中2の沖縄の時の先生は知念結衣先生で、その西表島で出会った女子大生も結衣ちゃんで、同じ名前やってん」

「えーっ!」


入学式のあと、講堂で、先輩方による、部活動の紹介あった。

各部のキャプテン、副キャプテンによる、部の紹介。

普段どんな活動をやっているのかっていう。

それを新入生のためにやってくれた。

ボクは高校では、バスケかバンド(軽音楽部で)かバドミントンあたりのどれかにしようかなって思っていた。


講堂で部活動紹介を見ながら、楓ちゃんと

「部活動どうする~?」

って話をしていた。

楓ちゃんは美術の好きな子。

だから楓ちゃんといっしょに入るなら、美術部やな~ってことになった。


各部活動の紹介も終わり、講堂を出て、3組の教室へ戻った。

まわりの同じクラスの子たちとも

「よろしくね~」

ってあいさつをしておいた。

ちょっとの間、教室で待ってたら、担任の先生と、副担任の先生、教室に入って来た。

担任の先生は安藤紬先生。体育の先生。

副担任の先生は藤本結衣先生。美術の先生。


「みなさんっ!おはようございます!そして、入学おめでとうございます!」

紬先生は、みんなにあいさつをはじめた。


結衣先生も

「みなさん、こんにちはー!よろしくね~」

って、あいさつしていた。


そのあと、ひとりづつ前に出て、自己紹介をした。


「ただいま~」

家に帰った。

「おかえり~!高校どうやった~?」

って、ママはめっちゃ嬉しそうに玄関先で聞いてきた。

ボクはスニーカーを脱いで、玄関にあがりながら

「めっちゃ良い高校やったで~!」


「そやろ!あのあたりはめっちゃええとこやもんなー」

「うんっ!ほんまに!」

「駅前も良かった?」

「うんっ!可愛いお店もいろいろあったよ」

「そやろ~!ええな~」

「えっ?ママも、もしかして神戸の高校やったん?」

「ママは大阪の高校やで」

「あっ、大阪の高校やったんや」

「大阪の高校も、みんなめっちゃ面白くて良かったけどなー」

「そやろな~!そんな感じするわ」

「そ~か?」

「大阪の高校も面白そうやもん」

「まあな!でも神戸もええやんっ」

「うんっ!神戸もめっちゃ良かった!駅前から高校までも高台にあるから、神戸の港とかも、上からめっちゃきれいに見えたで~」

「ええな~」

「美味しいパン屋さんもあったよ」

「なんか、おみやげに買ってきてくれたん?」

「えっ?買ってないよ」

「じゃ、こんど買ってきてなっ!」

「うんっ、ええよっ」

「やったあ」


「あっ!そうや!」

「どしたん?」

「中学の時、高梨由菜ちゃん、おったやんか~」

「霊感の強い子なっ!」

「うんっ」

「由菜ちゃんママも、めっちゃ霊感強かったもんな」

「それな」

「親子そろって霊感強くて...受け継いでるんやな」

「そうみたいやな~っ」

「由菜ちゃん、どないしたん?」

「由菜ちゃんじゃなくて~、由菜ちゃんの親友に高津楓ちゃんっていう子いてなっ」

「由菜ちゃんの親友は、あやめっちちゃうん?」

「まあ、ボクもそうなんやけど...高津楓ちゃんも親友で、で、楓ちゃんといっしょの高校やったわ」

「えーっ?そうなんや!良かったやんっ」

「クラスまでいっしょやったわ」

「えーっ!良かったな」

「うんっ、それでな!」

「まだあんの?」

「副担任の先生なっ、西表島で会ってたんやで~」

「えーっ西表島で?」

「うんっ」

「会ってたん?」

「そやねんっ!その時は女子大生やったんやけど」

「副担任の先生、女子大生やったんや?」

「その時なっ!西表島で会った時やで!」

「うんっ」

「今とちゃうで」

「わかってるよー」


「で、今は高校のボクのクラスの副担任の先生になってた!」

「えーっ!縁あるんやな~」

「そうやな~」

「何の先生なん?」

「美術やで」

「えーっ良かったやんっ!あやめっち美術好きやから」

「そうやなー」


「副担任の先生、西表島で会った時、海でビキニのブラのひも、ほどけてたから、ボク、結んであげたんやで」

「えーっそうやったんやー」

「部屋に行ったら裸になってたから、先生の裸、見てもうた!」

「うわっ!」


空里も2Fの部屋からおりてきた。

「あやめっち、おかえり~」

「ただいま~」

「高校どうやった?」

「めっちゃ良かったけど、どうせ空里は近い高校に行きたいんとちゃうの?」

「えーっ?まあ、そうかもしれへん...」

「歩いていける高校にぎりぎりで行くんちゃうの?」

「そうなんかなあー?でも、あやめっちといっしょに通いたい気もするっ」

「ほんまに?」

「うんっ、ほんま」

「まあ、まだわからへんな!中2やから」

「そやなー!あやめっち、部活は何に入るん?」

「え~と、そやな~、美術部かな~」

「やっぱり!あやめっち美術めっちゃ好きやからな」

「まあな」

「でも、あやめっち制服めっちゃ似合ってる!」

「ほんま?」

「うんっ、めっちゃ可愛い!」

「うーわっ!ありがとうー!」











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