推し
松山にも、愛媛の可愛いご当地アイドルグループも何組かいる。小学生の頃から、そういうアイドルグループのお姉さんたちのこと好きだったから、お姉さんたちの歌ったり踊ったりしてるところをいろいろ観に行ったりしている。土曜日や日曜日には、松山のいろんな場所でイベントもやっている。
小学生の頃は妹といっしょに、CDショップでやってるイベントに、よく行っていた。
ある日曜日にボクは奏ちゃんといっしょに、「マジカルわーるど」っていうアイドルグループを見に、商店街のCDショップに行ってみた。
ちょうど「イチゴ気分」っていう新曲のリリースイベントをやっていて、最初に数曲のミニライブをやっていた。
初見でも、いっしょにすぐ踊れるような可愛い振り付けだ。
だからボクも観ながら、いっしょにフリコピして踊っていた。そしたらステージ上の推しも、めっちゃ嬉しそうにボクのことを見てくれている。
そして、ミニライブのあと特典会もあった。
推しメンと2ショットを撮りにいった。
推しもボクのこと、ずっと女の子だと思ってるみたいだ。
話をしていても、それからチェキにサインを描いてくれてる間も、女の子だと思っている。
「いっしょに踊ってくれてて、ありがとうー」
って言ってくれた。
やっぱり見ててくれたんだあ~って思って嬉しかった。
チェキにボクの名前を描いてもらうために
「あやめっちでお願いします」
って言って、推しも
「あやめっち~よろしく~」
って言いながら描いてくれている。
奏ちゃんは、ボクとは別の推しのところに行っていた。
ボクの推しはピンク担当で、ボクは推しを目の前にして、緊張してしまって
「ボクの頭の中、真っ白だよ~、あっ、違う...真っピンクだよ~」
って言ってたら、笑ってた。
白担当は奏ちゃんの推しの子だ。
1日に2回、ミニライブあったから、奏ちゃんといっしょに2回とも観た。
CDを予約したから、優先席に入れて、最前で観れた。
推しと会った日は、めっちゃテンション上がる。
推しのソラッチにも、今日は顔と名前を覚えてもらえたみたいだな~。
たぶん女の子だと思ってるんだろうな。
推し~は何でも知っている~。
そのあと、奏ちゃんと商店街をラブラブな気分でブラブラ歩いていたら、占いコーナーを見つけた。
いろんな占いをやっている占い館。
「ちょっと占ってもらおうかー?」
って奏ちゃんに聞いてみた。
「えーっ?やってみようか!」
「よしっ!入ってみようーっ!」
2人で占い館に入った。
いろんな占いあった。
そこで、ボクは手相占いにしてみた。手相占いのお姉さんのところに行った。結婚相手を占ってもらった。そしたら
「絵の展覧会で、いっしょに絵を見てる相手のようですよ~」
って言ってくれた。
「え~、誰だろう?今から奏ちゃんといっしょに絵の展覧会に行こうかな~」
って奏ちゃんに言ったら
「じゃあ、うちも占ってもらうわ!...1年後輩って言われるかな?」
奏ちゃんはタロットカードの占いのお姉さんのところに行った。
奏ちゃんも結婚相手について聞いていた。
「学校の先輩みたいですよ~」
「え~、先輩ってことは~...ボクじゃないのか...」
「あやめっち、うちの先輩になればいいんだよ~」
「そんな簡単には、なれませんって...」
それから奏ちゃんと、ボクの家に行って、部屋で奏ちゃんにモデルになってもらって絵を描いていた。
「あっ!そうだ!」
「なに?あやめっち」
「今から、奏ちゃんは、ボクのことを先輩って呼べばいいんだよ~」
「え~、何の先輩なの~?」
「う~ん、そうだなあ...たとえば、えっちの先輩とか...」
「あのねぇ~、あやめっち」
「なに?奏ちゃん」
「先輩っていうものの意味をわかってるの?」
「えっ?先輩っていうのは、相手よりも先に、そのことをやっているってことでしょ?」
「わかってて、なんで、あやめっちは、うちのえっちの先輩なのよーっ?」
「えっ?ちがうの?」
「あやめっちなんて、まだまだ、えっちのこと知らないでしょーっ?」
「奏ちゃんより知ってるかもよーっ!だから先輩かも」
「そんなわけないわよーっ!あやめっち、うちよりも、えっちの先輩なわけないわよーっ!」
「えーっ?どうしてーっ?」
「どうしてもよーっ!えっちじゃなくて、もっと他のものの先輩になりなさいよーっ!」
「なんでよーっ?なんで、えっちの先輩じゃ、だめなのよーっ?」
「あやめっちのことをえっちの先輩だなんて呼べないわよっ!」
「じゃあ、今、えっちする?」
「えっ?今、えっちするの?」
「うんっ!今、えっちしてみたら、ボクは奏ちゃんにとっての、えっちの先輩だってわかるかもよっ」
「えーっ?そうなのーっ?そういうことなのーっ?」
「そうだよーっ!やってみたら、わかるよーっ!」
「えーっ?じゃあ、やってみるのーっ?」
「いいよーっ!」
「今からー?」
「そうだよーっ!」
「わかったわよーっ!やりましょー!」
「やったあああ!...って...えっと...どうするの?...」
「ほらーっ!わかってないじゃないのよーっ!あやめっちなんて、うちにとっての、えっちの先輩じゃないんだからねーっ!」
「うわーん!じゃあ、何の先輩なのーっ?」
「知らないわよーっ!自分で考えなさいよーっ!」
「えっとねー...あっ、じゃあ、奏ちゃん?」
「なによー?」
「キスしたことあるー?」
「えっ?なによ、いきなりー」
「あるの?」
「まだ、ないわよーっ」
「じゃあ、先にキスしちゃえば、ボクは奏ちゃんにとってのキスの先輩になれるねっ!」
「えっ?...まあ、そうだけど...あやめっちキスしたことあるの?」
「まだないけど、奏ちゃんよりも先にキスするよっ!そして奏ちゃんのキスの先輩にボクはなるーっ!」
「えーっ?あやめっち、だれとキスするのー?」
「う~ん、わかんない...」
「ほらぁ~、うちも、あやめっちよりも先にキスしちゃうかもよ~」
「えーっ?そんなのやだあ~」
「そうでしょ~だから~、あやめっちはキスの先輩にもなれないのっ!なんなくていいのーっ!」
「えーっ!何かの先輩にならないと、奏ちゃんと結婚できないよー」
「キスじゃなくて、他のことで先輩になってよーっ!」
「他のことで~?」
「そうよーっ!キスは先輩後輩じゃなくて、同時なんだからねーっ!うちとあやめっちは...」
「同時なの?」
「そうよっ!同時よっ!」
「同時って、どういうことなの?」
「こういうことよっ!」
って言って、奏ちゃんは、ボクにキスした。
2人にとって、おたがいにファーストキスだ。
うわーっ!甘ずっぱいイチゴの味...みたいな...
「あっ!そうだ...幼稚園の時に、3つ年上の女の子にキスされたの想いだしたーっ!やっぱりボクは奏ちゃんのキスの先輩だったーっ!」
「いいのよっ!そんなこと想いださなくてもっ!」
「やったあああ!奏ちゃんと結婚するのかも...」
「あとは、絵の展覧会に行って、いっしょに絵を観ないと...」
「あっ!それなー」
「ボクって自分でも思うんだけどね~」
「えーっ?何を~?」
「やっぱりボクにとって結婚相手は1つくらい年上の子なんだと思ってるんだよね~」
「えーっ?そうなの~?」
「うんっ!ボクに合ってるのは1つくらい年上のお姉さんだと思うんだよね~」
「へぇー?そうなんだ」
「それって、やっぱり奏ちゃん...」
「えっ?」
「その特徴は、やっぱり奏ちゃんやないかいっ!」
「えっ?あははは...でも占いだと、わたしの結婚相手は学校の先輩らしいからな~」
「うわっ!そうやった...」
「あははは、だから、どうするの?って話やでー!」
「うーわっ!そうやーっ!」
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