ハーレム・エンド
「あ~ん♡」
一人の男はだらしない姿で女性にプリンを食べさせてもらっていた。
周りにはうちわで扇ぐ者やマッサージしている者、棒を穴に入れてギシギシ音をたてている者。たくさんの女性を一人の男が独占していた。
「まずい!」
プリンを食べた一人の男は突然激怒した。
高級食材をふんだんに使用したプリンが不味いはずもなく、実際一人の男は美味しいと思っていた。
しかし、一人の男はただ何となく苛立っただけで思ってもいないことを口にし、プリンを食べさせた女を殴り飛ばした。
女は家具の角に頭をぶつけ、大量の血を流した。もうすぐ死ぬだろう。
「おい!片付けろ!」
「はい♡」
すぐに死体を運び出し、血を拭き取っていた。それはあまりにも異様な光景だった。
彼女達にとっての幸せは男に尽くすことである。ただその為に存在し、その為だけに産まれてきた。
遺伝子操作によって生み出された女しか産まない女。美人で、男にとても献身的であり、器用で、どんなことをしても許しくれる。ほとんどの男性の理想像そのものであるそれは、イカれた破滅主義者によって生み出された。
時間をかけて、ゆっくりと男性の数は減っていき、一人の男を残すのみとなった。
芽吹く春は二度とやってこない。
〈終〉
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます