chapter 4.魔王討伐作戦

「先程、魔王城から大神殿宛に返答が返ってきました。平和協定について談義の場を設ける、と」


魔王自らが、俺たちの作戦に乗ってきた。


「本作戦の最終確認をいたします」


・まずは勇者リョウ、そしてかつての仲間であるシルトの二人で魔王城へ向かう。

・次に話し合いの場を設け、お互いの状況、今後の方針について意見交換をする。

・そして意見を交わしあった後、本作戦の要である「平和協定」を結ぶ。


「この作戦が上手く行きゃ、リョウや俺らに付けられた裏切り者って汚名も返上できんだな?」

「その通りです。魔王は恐らく、各国に中継をするでしょうから、これを機に世界に事の真実を知っていただくのです」


本作戦決行は3日後。

大神殿の移転魔道具を使用しても、直接魔王城に乗り込むことは出来ないため、明日にはここを発つことになる。


「リョウ様……」

「ダリアさん、何から何まで協力してもらって、本当にありがとうございました」

「いえ、結局グリ様は消息すら掴めず……万全の体制で送り出せないことをお許しください」


探していた仲間の一人、魔道士のグリは行方どころか生死すら確認することはできなかった。


「グリに会えなかったのは残念ですけど……でもこの作戦が上手く行けば、俺は元の世界に戻れるんですよね?」

「はい。ですので私は最後のご挨拶と」

……そうだ、ダリアさんは魔王城に同行しない。

かつての管理者に代わり、今ここの管理を行っているのは彼女だからだ。


「そして、続きを……本作戦の最重要事項をお伝えしに参りました」


───作戦にはまだ続きがある


「そうだ……続き!」

「シルト様は嘘や隠し事は苦手な方と見ました。ですのでリョウ様にのみ、お伝えしようと」

「魔王と平和協定を結んだ後、何をすれば……」



彼女は小さなロザリオを手渡し、俺に言った。





「隙を見て、魔王を討ってください」

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