第9話 俺はそれを可能性とは呼ばない
第9話 俺はそれを可能性とは呼ばない Part1(ゲーム)
心を入れ替え、充快達に助力することになった金貨。
しかしそれは、六繋天の黒幕である
金貨を切り捨てた
TURN7(続き)
(
おそらくは3つあったであろう龍の眼は、2つが潰れ、黒々とした眼が一つこちらを見下ろしている。
「バトルフェイズ!
【流星攻撃】!
我の流星攻撃状態を解放する!」
【流星攻撃】
攻撃カード
効果:モンスターの流星攻撃状態を解放する。
【
vs
【無双剣士の師範代】中距離攻撃力1600
「
無数の星が降り注ぐ。
「【
【
伏兵カード
発動条件:場にモンスターがいる場合。
効果:モンスター1体の攻撃力をそのモンスターの固有ターン×100ポイント、上げるか下げる。
【無双剣士の師範代】中距離攻撃力1100(1600-500)
「自らの攻撃を下げるだと?」
【
vs
【無双剣士の師範代】中距離攻撃力1100
「さらに【
【
伏兵カード
発動条件:互いのモンスターの攻撃力の差が1000以上ある場合。
効果:このターン自分モンスターは攻撃力の差が1000以上のモンスターからの攻撃を受けない。
「攻撃力の差が1000以上になったことで、このターン攻撃を受けない!」
「ちっ…」
「強い…」
「だが所詮、1ターン延命したにすぎない。
層上充快。
貴様はここで我に敗北する。
我の完全なる力を取り戻すには6枚の六繋天が必須」
「そのために金貨を利用したってこと?」
「左様。
目覚めた時、我の意識は【ケルベクロスブリード】にあった。
人間と我の戦い。
前のそれから、どの程度の時が過ぎたかは分からなかったが、我の力が分割されていることは悟った。
長い時が流れ、カードが人から人の手に渡ることで、我は金貨翼にたどり着いた。
我は奴の悪意を素に、残りの六繋天を探し出すことにしたのだ」
「瀬山さんは六繋天を集めるように、金貨に命令されたって言ってたけど、それもお前が金貨を唆して…」
「ああ…」
**********
<回想>
金貨が充快に敗北した後。
「(後続の人間を用意するのだ)」
「(ふざけてんのか、てめぇ。
六繋天回収の真意を俺は誰にも話すつもりはねぇ!)」
「(要はお前の考えが外部に漏れなければよいのであろう。
それに最適な人間を見つけた)」
「(誰だ?)」
「(
「(瀬山?
あんな奴使いもんにならねぇだろ!)」
「(だとよいがな)」
「(ああ?)」
「(お前と
「(確かに、あいつはほとんど口をきかずに気味が
「(奴なら六繋天を見つけ出し回収するよう命じても、余計な詮索などせず、お前の元にカードを差し出すのではないか?
六繋天を、我が社の五仕旗映像技術産業において今後を左右することになりうるカードだとでも言っておけば、それ以上怪しまれることもなかろう)」
**********
「金貨が結益知介に勝利し、【ドランチャー・サブマリンド】を手にした時点で【ケルベクロスブリード】も含め、我々の手には2枚の六繋天があった。
たった2枚での我の力は知れていたが、それでも残る六繋天の所在を、微かにだが把握することができた。
我はそれを金貨に吹き込み、奴は瀬山に六繋天回収を命じたということだ。
【分光竜-スペクトラム・ブリーダー】は【ケルベクロスブリード】の力を強引に増強させたカード。
奴はその反動で倒れ、身動きがとれなくなり、我もこの地下に封じられた。
金貨に抑圧され、不満を抱えていた瀬山を利用したのは名案だったよ。
我の見込み通り、奴は六繋天の持つ力に気づき、回収を急いだ」
「結局はみんなが、お前の都合のいいように動かされてたってわけだ!」
「ターン終了」
手札
充快:1枚
TURN8
(充快のターン)
「俺のターン」
カードをドローする充快。
「このドローフェイズ、【
【
伏兵カード
発動条件:自分のモンスターデッキにカードがある場合。
効果:モンスターデッキからモンスター1体を墓地に送り、そのモンスターの固有ターン×200ダメージを受けることで、そのモンスターの通常攻撃力600につき1枚ドロー。
「モンスターデッキから【スナイプ・ストレンジャー】を墓地に送って、600ダメージを受けることで、1枚をドローする」
【スナイプ・ストレンジャー】が墓地へ送られる。
充快の累積ダメージ:2100(1500+固有ターン3×200)
【スナイプ・ストレンジャー】通常攻撃力1000のため1枚ドロー。
充快の手札:5枚
「そしてサモンフェイズ。
このモンスターは俺の墓地に固有ターン1, 3, 5のモンスターが揃っている場合に召喚できる」
「(奴の墓地には今の効果で全ての固有ターンが揃った!)」
「現れろ!六繋天を束ねた固有ターン7。
【
【
固有ターン7 通常攻撃力1500 中距離攻撃力1800 ???攻撃力1200
召喚条件:自分墓地に固有ターン1(または2), 3(または4), 5のモンスターが全て揃っている場合。
このモンスターは【蒼穹の弓獅】としても扱われる。
中距離効果:???
???効果:???
(蒼穹の弓獅が他の六繋天の力を得た姿。背には翼が生え、空中の敵をもボーガンで撃ち落とす)
「【
「これが【蒼穹の弓獅】と六繋天のカードたちが合わさった新しいカード」
「(あの時か!)」
**********
<回想>
6枚の六繋天が2枚になり、1枚が充快の下へ向かう。
**********
「(バカな!
我の分かれた力が一つとなり、層上充快に味方しているとでもいうのか!)
だが、【
「うっ!」
充快の累積ダメージ:2850(2100+750)
「でもこれで!
【
俺の累積ダメージが2500以上になったことで、モンスターデッキのモンスター1体を墓地に送り、それと同じ効果を【
【
伏兵カード
発動条件:自分の累積ダメージが2500以上の場合。
効果:モンスターデッキのモンスター1枚を墓地に送り、自分のモンスター1体はそのモンスターと同じ種類の特殊効果を持つ場合、墓地へ送ったモンスターと同じ効果を得る。
「【
【
固有ターン3 通常攻撃力1100 中距離攻撃力1200 魔法攻撃力1300
中距離効果:攻撃する場合、現在のターン数×100、相手モンスターの攻撃力を下げる。
魔法効果: 攻撃する場合、現在のターン数×100、相手にダメージを与える。
(己のみを信じ、他を寄せつけない狼。まさに一匹狼という言葉が相応しい)
「【
【
「バトルフェイズ!
【中距離攻撃】発動!」
【
vs
【
「【ロアー】の効果を得た【
現在のターン数×100ポイント、モンスターの攻撃力を下げる!」
【
【
vs
【
【
「
矢が【
「…!」
【
「どうして…」
「無駄だ。
これが我の流星効果。
戦闘を行う場合、相手モンスターが我の場にある攻撃カードと同じ種類の攻撃状態である限り、我は破壊されることはない!」
【
固有ターン7 通常攻撃力0 流星攻撃力2500
召喚条件:自分の場に攻撃カードが4種類以上ある場合、召喚可能。
流星効果:戦闘する時、そのモンスターの攻撃状態が自分の場の攻撃カードと同じ種類の攻撃状態ならこのモンスターはその戦闘で破壊されない。
(遥か昔から人々との戦いを続けてきた龍の姿。星が輝く空から流星を撃ち続ける)
「あいつの場には【
「すなわち我は全ての特殊攻撃に対して、無敵の力を誇るというわけだ。我に傷を負わすことは不可能!」
「奴を破壊しなければダメージを与えることはできない…。
くっ! ターン終了!」
「ならば我は、伏兵カード【
【
伏兵カード
発動条件:自分のモンスターの攻撃力が変化している場合。
効果:そのモンスターの攻撃力を元に戻す。
【
手札
充快:3枚
TURN9
(
「我のターン!
2枚の伏兵カードを発動!」
【
伏兵カード
発動条件:場にモンスターがいる場合。
効果:以降、モンスター1体は効果で破壊されない。
【
伏兵カード
発動条件:場に城カードがある場合。
効果:その城カードは破壊されない。
「【
「(まさに鉄壁の布陣!)」
「バトル!
これで終わりだ。
遂に我の手に6枚の六繋天が揃う!」
【
vs
【
【
「うわぁぁぁ!!!」
充快の累積ダメージ:2850
「なぜだ!?」
「【
【
固有ターン7 通常攻撃力1500 中距離攻撃力1800 ???攻撃力1200
召喚条件:自分墓地に固有ターン1(または2), 3(または4), 5のモンスターが全て揃っている場合。
このモンスターは【蒼穹の弓獅】としても扱われる。
中距離効果:自分の累積ダメージが2500以上の状態で戦闘した場合、戦闘終了以降、このモンスターと戦闘したモンスターの攻撃力を合計した数値までダメージを軽減できる。
(ゲーム中1度のみしか使えず、このカードが場にいる必要はない)
???効果:???
(蒼穹の弓獅が他の六繋天の力を得た姿。背には翼が生え、空中の敵をもボーガンで撃ち落とす)
「!
前のターン、我と戦闘したことによって効果が発動したのか」
**********
<TURN8での戦闘>
【
vs
【
【
**********
「【
あの時のお前の攻撃力は1700だった。
よって、合計3500ポイントのダメージを軽減できる。
今の攻撃で、俺は2500のダメージを受けた。
したがって、ダメージを受けても俺はまだ1000ポイントまでダメージを防ぐことができる!」
【
「素晴らしい…」
「?」
「層上充快。
お前は六繋天を使いこなし、さらには六繋天を束ねた【
考えてみれば、お前をここで倒す必要などない。
お前の力があれば、先々の時代で我に歯向かう者を一掃することも容易いであろう」
「俺はお前と手を組むつもりはない!
規約カード【
次のターンのドローで、任意の手札を戻す必要がなくなる」
【
規約カード
効果:次のターンのターンプレイヤーは、ドローフェイズで任意の手札を戻す必要がなくなる。
「(次のターン、このカードを発動できるかどうか…)」
手札の1枚のカードを見つめる充快。
手札
充快:2枚
TURN10
(充快のターン)
「俺のターン…」
1枚を残し、4枚をドローする。
「…【
【
固有ターン7 通常攻撃力1500 中距離攻撃力1800
中距離効果:このモンスターが破壊されたら、墓地から【蒼穹の弓獅】が復活し、その時点での攻撃力と攻撃状態を【蒼穹の弓獅】は引き継ぐ。
中距離効果Lv.2:攻撃する時、自分の累積ダメージが2500以上なら、このモンスターの攻撃力を相手の攻撃力と同じにすることも可能。
(蒼穹の弓獅の新たな姿。担ぎ上げた弩弓に貫けぬものはない)
「【
【
「さらにメインフェイズ。
城カード【
【
城カード
効果:相手から受ける自分への効果によるダメージを0にできる。(1ターンに1度のみ)
「バトルフェイズ!
【中距離攻撃Lv.2】!
【
【
vs
【
「さらに、規約カード【
この戦闘では、場にモンスターが留まったプレイヤーにダメージが発生する!」
【
規約カード
効果:このターンに1度、戦闘でのダメージは、残ったモンスターを従えていたプレイヤーに、そのモンスターが戦闘したモンスターの攻撃力分のダメージが発生する。(相打ちの場合もダメージは発生する)
「お前は自身の効果により、戦闘で破壊されない!
よって、お前に2500のダメージが発生する!」
「くっ!
伏兵カード【
我の場に4種以上攻撃カードがあることにより、攻撃を無効にし、我の攻撃力を2000上昇させる!」
【
伏兵カード
発動条件:自分の場に攻撃カードが4種類以上あり、相手が攻撃してきた時。
効果:攻撃を無効にし、自分の場の攻撃カードの枚数×500ポイント自分モンスターの攻撃力が上がる。
【
【
「まだだ!
【ブレイクスルー・アクセル】!
攻撃が無効になったことで、攻撃を再開する!」
「なに!?」
【ブレイクスルー・アクセル】
伏兵カード
発動条件:攻撃が無効になった時。
効果:攻撃を続行する。
【
vs
【
【
「【
「うぅ!」
「やったか?…」
「くっ…」
「【
敗北するダメージを受ける場合、相手の累積ダメージの分だけダメージを軽減する」
【
伏兵カード
発動条件:敗北するダメージを受ける場合。
効果:相手の累積ダメージ分のダメージを軽減する。さらに、相手の累積ダメージと本来発生するダメージの差を相手にダメージとして与える。
充快の累積ダメージ:2850
「お前の累積ダメージは2850。
よって、2500のダメージを2850ポイント減らし、我が受けるダメージは0になった。
さらにその差分、すなわち350ポイントをダメージとして与える!」
「【
「だが、その効果で軽減できるダメージも、残り250。
超過した100ポイントは受けてもらうぞ」
「うっ!」
充快の累積ダメージ:2950(2850+100)
「だが、【
戻ってこい!」
【
「新たなモンスターを召喚したことで【
「城カード【
【
「度重なる攻防。
よくやったと褒めてやろう。
だが、万策尽きたようだな」
「…」
「今一度問おう。
お前には素質と可能性がある。
くだらぬ人間など捨て、我と共に破壊の道を…」
「歩まない!」
「何故だ。
お前は金貨や瀬山と六繋天争奪のために敵対していた。
義理などないだろう。
特に鞍端風増。
奴はお前を欺くために近づき、果ては六繋天を取り上げようとしていたのだぞ」
「それでも俺は鞍端がいたから、五仕旗に出会えた。
もし俺がお前と歩むことで、お前が俺に、その人たちを踏みつけていくことを強要するなら、そんなものを俺が可能性と呼ぶことはない!」
「…」
「これが最後の六繋天。
伏兵カード【
「バカな!
最後の六繋天だと!?
六繋天は6枚のはず…」
充快が【
**********
<回想>
【
その1枚が落ち、充快が拾う。
**********
「5枚の六繋天の内、これだけが統合しなかった。多分、このカードは六繋天であって、六繋天でない」
「どういうことだ?」
「【
「(我が【
おのれ、人間め。
我を欺くため、偽の六繋天を創り出したというのか!)」
「そして本物がこのカード。
瀬山さんとの戦いの途中、社で神にこのカードを託された。
俺が争ってきた人達も、俺には必要な存在だったんだ。
【
このターンに俺が、5種類のカード全てを使用したことで、効果発動!
【
【
伏兵カード
発動条件:このターン、自分が5種のカードを使用している場合。(モンスターの召喚または効果の発動、攻撃カード、規約カード、伏兵カード、城カードの発動)
効果:モンスター1体の単体攻撃状態を解放する。(その際、既にそのモンスターが特殊攻撃状態でも解放可能)
「単体攻撃だと!?」
【
固有ターン7 通常攻撃力1500 中距離攻撃力1800 単体攻撃力1200
召喚条件:自分墓地に固有ターン1(または2), 3(または4), 5のモンスターが全て揃っている場合。
このモンスターは【蒼穹の弓獅】としても扱われる。
中距離効果:自分の累積ダメージが2500以上の状態で戦闘した場合、戦闘終了以降、このモンスターと戦闘したモンスターの攻撃力を合計した数値までダメージを軽減できる。
(ゲーム中1度のみしか使えず、このカードが場にいる必要はない)
単体効果:このゲーム中に【蒼穹の繋天獅】の中距離効果により軽減したダメージの分だけ攻撃力が上がる。
(蒼穹の弓獅が他の六繋天の力を得た姿。背には翼が生え、空中の敵をもボーガンで撃ち落とす)
【
【
「さらに、単体効果によって、【
「攻撃状態をまたぐ効果だと!?」
【
「バトル!
【
【
vs
【
「
【
【
「ぐわぁ!!!」
充快の勝利。
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