第2話 だから俺達は負ける Part3

充快チーム0勝 vs 瀬山チーム3勝


「負けたというのに、随分と清々しい顔をしているな」


「負けることもあっていいってことだよね。

鞍端、心配かけて悪かったな。俺、もう少し頑張ってみるよ」


「もう大丈夫そうだな。

俺も気持ちを整理するいい機会になった。

ありがとう、神…あれ?」


守り神はいつの間にか姿を消していた。


「あっ、これ!」


充快の手にはカードが握られている。

文字はかすれて読めない。


「そのカードは以前、この社に納められたもの。

私が持つよりも、君の方が有意義に活用できそうな気がするのでな…」


「お土産もらっちゃった」


「よし、用も済んだから帰るか。

って、最初にいたあいつも消えてるし。

ホント、何だったんだ?」


「(頑張れ、若者達よ。

それに、久方ぶりにあの二人に会えてよかった…)」


**********


<廃墟近く>


「あれ? 理羽じゃないか?」


「ん? あっ、知介君。久しぶり」


存財理羽そざいりう

充快と風増よりは少し年上の彼女は、知介の顔見知りだった。


「お前、最近よくテレビで見るよ。

前より忙しくなったんじゃないか?」


「そうかな?」


「こんなとこで何やってんだ?」


「今日はお休みで。

買い物帰りに通りがかったんだけど、懐かしいなって思って。

ほら、前はよく知介君に五仕旗教えてもらってたから」


「そうだな。なんか色々思い出してきた」


「みんなは元気?」


「うん。相変わらずだよ」


「そっか。じゃあ、また今度ね」


「おう」


**********


壮人は一人考える。


「(俺はこのままでいいのか?

あの二人は、あそこまで不利な場面でも、立ち向かっていったっていうのに…)」


続く…


**********


「二人とも、すっかり元気になったみたいだな」


「うん。でも、ごめんね知介さん。

これで俺たちに、もう負けは許されなくなった」


「気にすんな。

俺たちがあと4連勝すればいいだけの話なんだからな!」


「まだ1勝もできてないのにすごいなこの人…」


次回 魔水流波砲ますいりゅうはほう vs 超疼灼刺悶ちょうずしゃくしもん

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