第3話 魔水流波砲 vs 超疼灼刺悶

第3話 魔水流波砲 vs 超疼灼刺悶 Part1

<廃墟>


「で、その守り神様と勝負してきたわけ」


「な? 俺の言った通りだっただろ?

やっぱ神様っているんだって」


「だけど、これで勝負は0対3に…」


「俺達にもう、負けは許されないか…」


**********


数日後。


<廃墟>


「知介さん。話って何?」


「ああ。これが…」


充快と風増は知介に呼び出されていた。

彼が差し出したのは手紙用の封筒だった。


「今日ここに来たら、これが置いてあってさ」


「中は?」


知介が封筒から一通の手紙を取り出して見せる。


「下記の日時に第三戦目を申し込む。場所は…」


瀬山からの連絡だった。


「ここって…」


**********


<ラジオ局>


同封されていた関係者用パスを使うと、簡単に中に入ることができた。


地図を頼りに、複雑に入り組んだフロアを進んでいく。

目的のホールのドアを力強く開ける。


部屋の中には手紙の差出人がいた。


「待っていたよ」


「今回もまた、あんたが出るのか?」


「いや、今回対戦するのは私ではない」


「なに?」


瀬山がそう言うと、ステージの袖から男が現れた。


「あ、あなたは…」


知介は動揺している。


「え、誰?」


充快と風増は見当もつかない。


「俺のこと知ってる?

こんにちは、スタッカート吉田です」


「いや、どなた?」


充快が思わず口にする。


「おー。こんなとこで会えるとは。

俺、いつも聴いてます!」


知介は嬉しそうだ。


「ありがとう」


「あ! わかった!

この人、知介さんがいつも聴いてるラジオのパーソナリティーだよ!」


「いつもメール読んでもらって、ありがとうございます!」


「え、君、RNラジオネーム何?」


「ラーメンのスープは別でください、です」


「あー! いつも送ってくれる人か! こちらこそだよ」


「あれ、あんただったんかい!」


「そろそろよろしいかな?」


盛り上がる二人に、瀬山が水を差す。


「あっ、そうだ。五仕旗で対戦するんだったな。

そっちからは誰が出るんだ?」


「俺が行く」


知介が前に出る。


「知介さん、いいの?」


「ああ。任せとけって!

(充快と風増は前の勝負で3連敗してるんだ。

社で調子を取り戻したっていったって、まだ完全には戻ってないだろうしな。

ここは、俺が1勝してこの流れを変えてみせる)」


両者が位置につき、準備をする。


「(私はこれで…)」


瀬山が姿を消す。


「(いやしかし、なんでこんなことに…)」


**********


<回想>


「吉田君、ちょっといいかな?」


「なんですか?」


「実は今度から、この番組に新しいスポンサーがつくことになったんだけど」


「はい」


「その条件がちょっと変わってて…。

君がカードゲームである人物を倒してくれたらいいっていうんだよ」


「はい!?

え、なんですか、それ!?」


「いや、こっちがききたいくらいだよ。

吉田君、昔、五仕旗ってゲームやってた?」


「あ~、やってましたよ。こどもの頃にちょこっと」


「それで、大会とかで勝ったことある?」


「出たことはありますけど、準決勝に上がる前くらいで負けちゃったんじゃなかったかな?」


「あー、そうなの?

そのスポンサーが五仕旗そのゲーム関連の会社でさ。

その時の映像かなんかを見て、プレイヤーとして優秀な方なんで、是非お願いしたいって」


「でも俺、もう何年もカードゲームなんて…。

第一、ルールだってもうほとんど覚えてないですよ」


「そこをなんとか!

番組のためだと思ってさ!」


**********


「(それで当日を迎えたら、対戦相手がリスナーって…。

ドッキリかなにかか?

とにかくここまで来たら、やるしかないよな)」


指輪型の起動スターターに触れる。


「いくよ。

五仕旗…」


「3rd Generation!」

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