第8話 真に他人を思える人は Part3

知介は気を失い倒れ込んでいる。


彼のデッキケースから【ドランチャー・サブマリンド】のカードが飛び出し、金貨の手に収まった。


「お前程度が、いちいち俺の手を煩わせるんじゃねぇよ。

おい!」


ヘリの操縦士に乱暴に命令する。

機体は上空を舞い、金貨はその場をあとにした。


「(次はお前だ! クソガキ!)」


**********


<教室>


夏季休暇は終わり、新学期が始まっていた。


「層上」


充快と風増の間には未だにわずかな溝があった。

しかし風増には、気まずさなどを気にしている余裕などなかった。


「ん?」


「知介さんと最近連絡とってる?」


「とってない…」


そういえば、あの日以来知介には会っていない。

一人考え込む間に、すっかり時は経ってしまっていた。


「そうか」


「どうかしたの?」


「全然連絡とれないんだよ。

いつもの廃墟に行ってみても全く会えないし」


「心配だね」


「放課後、一緒に行ってみないか?」


**********


<廃墟>


二人の期待も虚しく、知介はそこにいなかった。


「知介さん…

どこ行っちゃったんだよ…」


続く…


**********


「知介さん、大丈夫かな…

何事もないといいけど…」


「鞍端と出会って…

知介さんと初めて勝負して…」


次回 だけど7月は違った

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