第4話 奇術の技術 Part2(ゲーム)
層上充快 vs リック
TURN1
(充快のターン)
「先攻はもらうよ!【アサルト・ライノ-ダッシュ】!」
【アサルト・ライノ-ダッシュ】
固有ターン1 攻撃力600
効果なし
(突進するのが得意なサイのモンスター。走ること以外は基本的に何も考えていない)
手札
充快:5枚
リック:5枚
TURN2
(リックのターン)
「では、私のターン。カモン!【
【
固有ターン1 攻撃力700
効果なし
(手先が器用なことから人気を博しているピエロ。ピエロを始めたきっかけは、人が呆気にとられている姿をもっと見たいと思ったから)
「バトル!
【
【
vs
【アサルト・ライノ-ダッシュ】通常攻撃力600
【
「ファーストバトルは私の勝ちですね」
しかし、炎が消えると中からは別のモンスターが出てきた。
「ん?」
「伏兵カード【ミスディレクト・スワップ】を使ったんだ」
【ミスディレクト・スワップ】
伏兵カード
発動条件:自分の場にモンスターがいる場合。
効果:自分のモンスター1体を墓地へ送って、その固有ターン以下の数値の固有ターンを持つモンスターをモンスターデッキから召喚する。
元のモンスターより固有ターンの低いモンスターを出したら、1ドローできる。
「自分のモンスター1体を墓地に送り、そのモンスターの固有ターン以下のモンスター1体をモンスターデッキから召喚する」
【無双剣士の卵】
固有ターン1 攻撃力400
通常効果:このモンスターが戦闘で勝利した場合、3ターン後まで(次のターンを1ターン目とする)このモンスターは戦闘で破壊されなくなる。
(甲冑を着た子どもの剣士。まだまだ修行の身で、師範代を慕っている)
「ならばその小僧に攻撃するまで。
【
慌てる【無双剣士の卵】。
「大丈夫だよ。伏兵カード【
【
伏兵カード
発動条件:自分モンスターが迎撃する場合。
効果:その戦闘のみ、自分モンスターの攻撃力が800上がる。
【無双剣士の卵】通常攻撃力1200(400+800)
vs
【
【無双剣士の卵】が切り込む。【
「どうだ!」
「攻撃をかわし、別のモンスターを囮にして反撃してくるとは。
マジシャン相手になかなかやりますねー。
では、お礼にこちらをどうぞ!
【第二攻撃波】発動!
自分モンスターが返り討ちにあった場合、相手モンスターの攻撃力と同じ数値のダメージを相手に与える!」
【第二攻撃波】
伏兵カード
発動条件:自分の累積ダメージが相手の累積ダメージの数値以上で、自分モンスターの攻撃に対する相手の迎撃で、自分モンスターが破壊された場合。
効果:相手モンスターの攻撃力と同じ数値のダメージを相手に与える。
「さらに、伏兵カード【追い
ダメージを与える効果が発動した場合、そのダメージを1.5倍にする!」
【追い
伏兵カード(
発動条件:ダメージを与える効果を持つ効果が発動した時、それに対して発動。
効果:そのダメージを1.5倍にする。
「
風増が解説する。
「カードの発動に対してカードを発動させることをいうんだ。
普通、カードを使うと発動したと同時に効果が発揮されるだろ?
でも、
「うん」
「今みたいに効果の威力を強めたり、あるカードに対してその効果を無効にしたりするカードが該当する。
"カードにカードが重なってる"ようなマークが描いてあるのが目印だ。
ちなみに俺の【ラピッド・コンバットホース】の打撃効果も
「オッケー。サンキュー」
「そろそろいいかな?
【第二攻撃波】の効果で君に1200ポイントのダメージが発生し、【追い焚き】の効果でそのダメージは1800になる!」
「うわっ!」
充快の累積ダメージ:1800(0+1800(1200×1.5倍))
「優れたマジシャンというものは、観客の目を引くため、第二、第三の矢を用意しているものなのだよ」
「やられた。
だけど、俺のモンスターも既にその効果を発動している!」
「?」
【無双剣士の卵】が雄叫びをあげている。
「【無双剣士の卵】は戦闘で勝利した場合、3ターンの間、戦闘で破壊されない!」
「攻撃側の私の場にモンスターはいない。
よって、新たなモンスターを召喚する。
出でよ。【遅延式時限ボム】!」
【遅延式時限ボム】
固有ターン1 攻撃力200
通常効果:自分ターンのサモンフェイズ以外で召喚した場合、互いに1000ダメージを与えることができる。
(優れた腕を持つ奇術師が作ったとされる時限爆弾。独特な笑い方も相まって不気味)
「【遅延式時限ボム】の効果発動。
このモンスターがサモンフェイズ以外で召喚された場合、互いに1000ダメージを受ける!」
【遅延式時限ボム】が奇妙な笑い声をあげ、互いのプレイヤーに爆弾を投げた。
「また、ダメージ!」
充快の累積ダメージ:2800(1800+1000)
リックの累積ダメージ1000(0+1000)
「開始2ターンで既に満身創痍ですね。」
手札
充快:3枚
リック:3枚
TURN3
(充快のターン)
「俺のターン!…このサモンフェイズ、俺は新しいモンスターを召喚しない」
「そんなザコを維持して何になる?」
「これでいい!
バトルフェイズ。
【無双剣士の卵】で【遅延式時限ボム】を攻撃!」
【無双剣士の卵】通常攻撃力400
vs
【遅延式時限ボム】通常攻撃力200
【遅延式時限ボム】が破壊される。
リックの累積ダメージ:1400(1000+400)
「かすり傷程度ですね」
「ターン終了」
手札
充快:5枚
リック:3枚
TURN4
(リックのターン)
「私のターン…これは良いカードをドローしました。
規約カード【
このターン、私は次のターンから召喚可能なモンスターを召喚できる!」
「えっ、どゆこと?」
【
規約カード
効果:ターンプレイヤーは、次のターンから召喚可能な固有ターンを持つモンスターをこのターンに召喚できる。
「つまり次のターンであるTURN5から召喚可能なモンスターを、このターンに召喚してもよいということですよ」
「TURN5…ってことは」
「そう、私は固有ターン5のモンスターを召喚できる!
固有ターン5【奇術師-ヴァーサタイル】を召喚!」
仮面で顔を隠したマジシャンが場に現れた。
【奇術師-ヴァーサタイル】
固有ターン5 攻撃力1300 魔法攻撃力1600
魔法効果:???
(あらゆる奇術を習得しているだけでなく、洞察力にも長けている。その実力は本人ですら、自身の才能が恐ろしいと思うほどである)
「さらに城カード【
突然、巨大なテントのようなものが現れ、充快とリックはその中に包まれてしまった。
「これは? 層上! 大丈夫か?」
「大丈夫~!」
その家の中には不気味な絵や家具などが置いてあった。
「さて、あなたは無事にこの家から抜け出せますかね?」
「(ここはあんまり良くない感じがする。
早めに対処しないと!)
【
どこからともなく鎖が現れ、【奇術師-ヴァーサタイル】を拘束した。
【
伏兵カード
発動条件:自分モンスターと相手モンスターの攻撃状態が同じ場合、メインフェイズに発動可能。
効果:メインフェイズ終了時に攻撃状態が同じ場合、相手モンスターを破壊する。
「互いのモンスターの攻撃状態が同じ場合、バトルフェイズに入るまでの間に攻撃状態が同じなら、相手モンスターを破壊できる。
(今、俺の【無双剣士の卵】と【奇術師-ヴァーサタイル】は同じ通常攻撃状態。
攻撃カードはバトルフェイズに入らなければ発動できないはずだから、このままいけば…)」
「伏兵カード【奇術師の仮装】!
手札の攻撃カードを1枚捨て、このターンのみ、モンスター1体を特殊攻撃状態にできる!」
【奇術師の仮装】
伏兵カード
発動条件:場に通常攻撃状態のモンスターが場にいる時。
効果:手札から攻撃カード1枚を捨て、このターンのみ、モンスター1体を特殊攻撃状態にする。
リックが【魔法攻撃】を捨てる。
「これで私のモンスターはメインフェイズでも魔法攻撃状態になれます。さぁご覧ください。奇跡の大脱出ショーを!」
【奇術師-ヴァーサタイル】魔法攻撃力1600
【奇術師】を縛っていた鎖は一瞬にしてバラバラになり、彼を解放した。
「さて、バトルといきましょうか!」
「くっ…」
「【奇術師-ヴァーサタイル】で【無双剣士の卵】に攻撃!」
【奇術師-ヴァーサタイル】魔法攻撃力1600
vs
【無双剣士の卵】通常攻撃力400
「でも、俺のモンスターは自身の効果で破壊されないよ!」
「それでも構わん!
【奇術師】が指差すと強い光が起こり、視界が奪われた。
「まぶしいっ!」
互いのモンスターに変化はない。
「(なんだったんだ? どうして無駄と分かっていながら…)」
「私のターンは終了。
【奇術師の仮装】の効果は切れ、【ヴァーサタイル】は通常攻撃状態に戻ります」
【奇術師-ヴァーサタイル】通常攻撃力1300
手札
充快:4枚
リック:1枚
TURN5
(充快のターン)
「俺のターン。【無双剣士の卵】を墓地に送って…」
「?」
「【無双剣士の師範代】を召喚!」
【無双剣士の師範代】
固有ターン5 攻撃力1400 中距離攻撃力1600
通常効果・中距離効果:???
(長きにわたる修行の末に、剣による攻撃でなくブーメランによる攻撃に辿り着いた最強剣士。無双剣士の卵には愛情を持って接している)
両手に刃のついたブーメランを持った剣士が現れた。
「ほう。ここにきて
ですが…」
突然、鎖が現れ【無双剣士の師範代】を捕らえる。
彼の手からブーメランが離れる。
「なんだ!?」
「これぞ、我が屋敷【
手札を1枚捨てることで、相手墓地の伏兵カードを使用できるのですよ!」
【
城カード
効果:手札の伏兵カード1枚を捨てることで、相手墓地の伏兵カードを1枚使用できる。(1ターンに1回のみで、1度使ったカードを2度は選べない)
「仕掛けはまだある。
既に【
それは、"効果使用のために手札を捨てる必要がなくなる"という効果!」
【奇術師-ヴァーサタイル】
固有ターン5 攻撃力1300 魔法攻撃力1600
魔法効果:このモンスターの戦闘時、次の効果を自分の城カードに追加する。
・このカードの効果を使用するために、カードを捨てる必要がなくなる。
(あらゆる奇術を習得しているだけでなく、洞察力にも長けている。その実力は本人ですら、自身の才能が恐ろしいと思うほどである)
「あっ! まさか前のターンの攻撃は、その効果を城カードに与えるための攻撃?」
「その通り、マジックを成功させるための仕掛けは、他人に悟られないようにやるものです。
【ヴァーサタイル】が与えた効果により、私は手札を捨てることなくあなたの【
「…」
「今、互いのモンスターの攻撃状態は同じ通常攻撃状態。一つの舞台に二人の主演は必要ありません。
せっかくの武器も手元から放してしまっては意味がない。
そのモンスターには消えてもらいましょう!」
「放したんじゃない…放ったんだ!」
「なに?」
背後の何かに気づくリック。
「これは!?」
彼の背後では【無双剣士の師範代】が手放したはずの二つのブーメランが、今まさに主人の元に帰ろうとしていた。
ブーメランは鎖を断ち切ると、そのまま【無双剣士の師範代】の手に収まった。
「どういうことだ!?」
「これがこの剣士の力。【無双剣士の師範代】は【無双剣士の卵】を墓地に送って召喚している場合、3ターン後まで、俺が許可した効果しか受け付けない!」
【無双剣士の師範代】
固有ターン5 攻撃力1400 中距離攻撃力1600
通常効果・中距離効果:【無双剣士の卵】を墓地に送って召喚している場合、このモンスターは3ターン後まで(次のターンを1ターン目とする)、このモンスターを従えるプレイヤーが許可した効果しか受けつけない。
(長きにわたる修行の末に、剣による攻撃でなくブーメランによる攻撃に辿り着いた最強剣士。無双剣士の卵には愛情を持って接している)
「何だと!?
(奴が頑なにあのチビ剣士を守っていたのは、このためだったのか!)」
「バトル!
【無双剣士の師範代】で【奇術師-ヴァーサタイル】を攻撃!
【中距離攻撃】発動!」
「くっ…だが!
私も【魔法攻撃】発動!」
【無双剣士の師範代】中距離攻撃力1600
vs
【奇術師-ヴァーサタイル】魔法攻撃力1600
互いのモンスターが破壊される。
「これで厄介な剣士は葬った!」
「そして、俺の勝利で幕は閉じる!」
「!?」
「伏兵カード【見習い】!
手札2枚を捨てることで、相手の伏兵1枚を使う。
【見習い】
伏兵カード
発動条件:相手墓地に伏兵カードがある場合。
効果:手札2枚を捨て、相手が使用した伏兵1枚を使用できる。
(発動条件を満たしているものに限る)
「俺が選ぶのは【第二攻撃波】!」
「あ!」
「自分モンスターの攻撃で、そのモンスターが相手モンスターに破壊された場合、そのモンスターと同じ攻撃力分のダメージを与える!
【ヴァーサタイル】の攻撃力1600のダメージをくらえ!」
【第二攻撃波】
伏兵カード
発動条件:自分の累積ダメージが相手の累積ダメージの数値以上で、自分モンスターの攻撃に対する相手の迎撃で、自分モンスターが破壊された場合。
効果:相手モンスターの攻撃力と同じ数値のダメージを相手に与える。
「うわっ!」
リックの累積ダメージ:3000(1400+1600)
充快の勝利。
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