第3話 無念を継ぐ者 Part3

「この俺の構築が破られるとは…」


日高は大笑いし始めた。


「!?」


「お前、面白いな。

俺は人が当然と思っている戦い方、戦略、それらを越えていくことこそ、真の強さだと思い、それを突き詰めたデッキを作り上げた。

だが、お前はこのデッキを打ち負かした。あんな奇抜な方法で。

この俺の戦術もまだまだ凡庸なのかもしれない」


日髙がデッキからカードを取り出す。


「これはお前にやるよ。

お前みたいな奴なら、意外な使い方ができるかもな」


風増は驚きつつ、カードを受け取る。


「あ、ありがとう。

でも、いいのか? これじゃああんたのデッキは…」


「いい。俺はまた自分が納得のいくデッキをつくりあげるから」


**********


<今はもう使われていない小劇場>


後日。


充快は風増とともに、次なる対戦相手との待ち合わせ場所に来ていた。


ステージの上で待っていると、知介よりは少し年上だろうか、ステージ衣装を身にまとった男が現れた。


「おや、これは随分とかわいらしいお客様だ。

お待たせしましたね。

さぁ、せっかくお越しいただいたのですから、楽しいショーにいたしましょう!

結果にご満足いただけるかは、分かりかねますがね…」


**********


「鞍端はなにかマジックはできる?」


「うん。俺はカードマジックとか紙に書いてもらった数字当てるマジックとか色々できるよ」


「すごいな! そういうのどこで覚えんの?」


「子どもの頃、家の教育で一通り習った」


「どんな家で育ってんの!?」


次回 奇術の技術

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