第4章 集う熾天使、失われた歴史

第127話 プロローグ:シテン、死す


 シテンは死んだ。

 完全に、完膚かんぷなきまでに死んでいた。


「――――」


 相対するは、

 完全体ではないとはいえ、正真正銘本物の神性存在。

 その圧倒的な力の前に、シテンは何ら有効打を与える・・・・・・・・・ことができずに・・・・・・・敗北したのだ・・・・・・


「――――」


 は自ら殺めたシテンの惨殺死体を眺めていたが、やがて変化が訪れる。


 破壊され尽くしたシテンの肉体が、逆再生のように修復し始めたのだ。

 肉体、身に付けていた衣服や装備まで元の状態に戻り、生気を失っていた瞳に光が戻る。


 その瞬間、シテンは死の状態から蘇った・・・


「っぐ、カハッ!? ハアッ、ハアッ……」


 まるで長時間潜水していたかのように、シテンは息を荒げる。

 その様子を、面白そうに観察する人影があった。


「――四回目。そろそろ死の感覚にも慣れてきたカ?」


「う、うるさい……っ!?」


 強がりを言うシテンを、目の前のは待ってはくれない。

 触れれば即死の攻撃の嵐を、ギリギリの所で回避していく。


「【臨死解体ニアデッド】ッ!」


 お返しとばかりに、シテンも解体スキルで反撃するが、の表皮に触れただけで、傷一つ付けられずはね返されてしまった。


「んなっ!? なんで――」


出力が足りていなイ・・・・・・・・・。概念攻撃は概念防御で防がれル。今のお前にあのの概念防御を打ち破るだけの力はなイ」


「クソッ!」


 防戦一方のシテンに、その人物は助け舟を出すこともしない。

 ただ遠方から、カラカラと愉快な声をあげて笑うのみ。


「死からの蘇生は百パーセント成功する訳ではなイ。お前が死ぬたび、失敗する可能性も高くなル。――お前の魂が破裂するのが先カ、永遠の死が訪れるのが先カ」


「どっちもノー!! 僕はこんな所で死んでられない!!」


「なら精々頑張る事ダ。お前が助かる道は一ツ、あのを打倒する他ないのだからナ。安心しろ、しくじっても骨は拾って使ってやル」


「やってやるよこのヤロー!!」




 ――ここは【魔王の墳墓】、第99階層・・・・・

 迷宮の深淵にて、シテンは半ばヤケクソ気味にとの戦いに再び挑んだ。


◆◆◆

4章開始!!!!

手始めにシテン君には死んでもらいます!!!!

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