魔女の城

そこへ、スタンがやってきました。

彼は二人が竜巻に飲み込まれた後、一人大嵐の中を必死に耐えていたのでした。

「大丈夫か?あの子はどうした?」

彼が聞くと、

「僕は大丈夫。あの子は魔女が連れて行った。取り戻しに行くよ。」

と答えました。

そして彼はゆっくり歩き出しました。

「わかった。俺も行くよ。」

スタンはそう言って彼の隣を歩き出しました。そこへ子供の一人が駆け寄ってきました。

「狼さん、お姉ちゃんはどこ?」

すると彼は答えました。

「お姉さんは悪いヤツにさらわれてしまったんだ。だが心配するな。俺達が必ず助け出してくるから、君達はそれまで待っててくれ。」

彼はそう言うと、その子の肩を優しく叩きました。

「わかった。待ってる。お姉ちゃんをお願い。」

その子はそう言うと、部屋の方へ駆けて行きました。

その姿を見届けると、二人は魔女の住むお城へと向かいました。お城は先ほどの大吹雪で、まるでお城が厚い氷に覆われたようになっていて、城の入り口にある大きな扉にも厚い氷がはっていました。これはそう簡単には開きそうにありませんが、スタンは扉の継ぎ目に手を当てると、思いっきり押し始めました。ハリーはその隣でありったけの力を込めて扉を押していましたがびくともしません。二人は一旦押すのをやめて一休みしました。

「心配すんな。この扉は必ず開けてやるからな。」

スタンはそう言うと、また扉に手をかけました。その隣でハリーも手をかけました。そして二人で思いっきり押しました。

するとその時、二人の胸にかけられていた赤と黒の石がほのかに光りだし、二人の力がだんだん強くなっていきました。

その力は絶え間なく二人を包み込み、ついにはあれだけびくともしなかった扉が少しずつ開き始めました。そしてスタンが大きな声をあげて力一杯押すと、扉は鈍い音を立てながら大きく開きました。その向こうからは凍えるような冷たい風が吹いていました。きっと長い間雪と氷に包まれていたので、お城の奥の方まで凍るほど冷やされていたのでしょう。二人は大きな深呼吸を一つすると、ゆっくりと城の中に入っていきました。城の中はとても暗く、ほのかな灯りは雪と氷のはった小さな窓からぼんやりと見えるほどでした。ですが、二人とも目は良いので、しばらくすると目が暗さに慣れてきました。そんな事を感じながら、二人は城の奥へと消えていきました。

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遥かなるクリスタルマウンテン Mikoto@飼い主 @xxxmikotoxxx

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