千年の孤独

 眩しい光に照らされたその影は、少しずつ目が慣れてくると、白いドレスを着た髪の長い女の子の姿として見えてきました。

「その者達は何者なの?」

彼女が狼に聞きました。

すると、狼は答えました。

「彼等は君が長年待っていたものをここまで運んでくれたんだよ。」

彼女はゆっくりと二人の前に近づいて、聞きました。

「あなた達はどこから来たの?」

すると、スタンが口を開きました。

「俺はスタン。こいつはハリー。俺達はハグルマビーチからここに来たんだ。」

ハリーは小さく頷きました。

すると、彼女は聞きました。

「あなた達がここまで来たって事は、あなた達は他の者達とは違うという事。歓迎するわ。どうぞ座って。」

二人は彼女が用意してくれた椅子にゆっくりと座りました。

「お茶はいかが?」

と彼女は言いました。

それに対してスタンが

「ありがたい。頂こう。」

と返しました。

彼女はとても久しぶりのお客さんの訪問が嬉しかったようで、お茶と一緒にお菓子も用意してくれました。

狼はそのやり取りを静かに見守っていました。

ハリーは部屋の中を見回すと、

「綺麗なお部屋だな。」

と言いました。

すると彼女は嬉しそうに言いました。

「嬉しい。そう言ってもらえると心が癒されるわ。ありがとう。」

それを見ていた狼が口を開きました。

「クリスタ。彼等はとても良い心の持ち主だ。あれならお城の中を案内してみてはどうかね?」

彼女は笑みを浮かべて、

「ええ、彼等がお望みであれば…。」

と言いました。

ハリーは静かに

「あなたが良ければ…。」

と答えました。

「では、そのお茶を飲み終えたら、お城の中を案内いたしますわ。」

彼女はそう言うと、にっこりと微笑みました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る